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長谷部誠はブンデス最年長、コロナ禍でも「ハーゼうさぎ」となってイキイキ
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/10/12 11:02
30代後半となっても相変わらずハツラツとしたプレーを見せる長谷部誠。日本代表引退後も好調だ
鎌田と長谷部のコンディションは?
続く第3節のフランクフルトvsホッフェンハイムは、ここ数日間のフランクフルト市内および近郊地域のウイルス感染者数の増加を受け、実は無観客試合に変更される可能性もありました。しかし蓋を開けてみれば前回よりも多い8000人の人数制限の中で開催され、ホームのフランクフルトが2-1で勝利しました。
このゲームについては、フランクフルト所属の長谷部誠と鎌田大地にフォーカスを当てて振り返ってみたいと思います。
鎌田は、空中戦に非常に強くなったように感じました。味方GKケビン・トラップからのフィードに反応して相手と競り合うのですが、そのほとんどで勝っていたのは驚きでした。昨季はこのファーストコンタクトで苦戦しつつも、セカンドボールの回収速度で上回って攻撃を展開していましたが、今の鎌田は悠々と勝って攻撃の起点の役割を果たしています。
強度に関しても、相手より一歩先んじるスピードやボール保持時のパワーが増した様子で、相手のボディコンタクトに対して体軸が振れなくなりました。その結果、鎌田は相手陣内アタッキングサード付近でのプレーに安定感が生まれ、それが3試合で1ゴール2アシストの結果に繋がっているように思います。
フィリップ・コスティッチが負傷離脱中の今はプレースキッカーとしても重宝されていて、契約も2023年6月までの更新。鎌田は迷いなくプレーに専念できているようです。
リベロ長谷部が今季も主戦システムに
今季ブンデスリーガ最年長選手となった長谷部は、鎌田と同じく開幕からリーガ3試合連続スタメン、しかもフル出場を続けています。今季のフランクフルトはUEFAヨーロッパリーグへの出場権を3年ぶりに逃してしまいましたが、その影響で過密日程に晒されず、長谷部自身もコンディションを整えやすい環境を得られています。
アドルフ・ヒュッター監督からの信頼も相変わらずで、リベロ・長谷部を主軸に据えた3-4-1-2が今季もチームの主戦システムになりそうです。長谷部はホッフェンハイム戦で相手エースFWアンドレイ・クラマリッチと堂々と渡り合い、彼に1ゴールこそ決められたものの、その他はほぼ封じ込んでチームの勝利に貢献しました。