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長谷部誠はブンデス最年長、コロナ禍でも「ハーゼうさぎ」となってイキイキ
 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2020/10/12 11:02

長谷部誠はブンデス最年長、コロナ禍でも「ハーゼうさぎ」となってイキイキ<Number Web> photograph by Getty Images

30代後半となっても相変わらずハツラツとしたプレーを見せる長谷部誠。日本代表引退後も好調だ

マインツvsシュツットガルトでは……

 第2節はマインツvsシュツットガルト。マインツまでは在来線で約50分と近場の距離。とはいえ今年の3月中旬から家の近所、もしくは街中で生活していた僕にとっては長旅の大冒険となりました。

 ただ、やはり交通機関は人もまばら。そもそも現在ブンデスリーガ各ゲームはアウェーサポーターの観戦が許されていないので、遠方から大挙スタジアムへ押しかける状況にはならず、試合当日の最寄り駅周辺もシーンとしていました。

 それでも駅からスタジアムまでのシャトルバスは以前と同じく運行されていて、何人かのマインツサポーターとバスに乗り込んでオペル・アレナへ向かいました。

マスク着用が義務付けられていた

 これまで、マインツのシャトルバスはスタジアム入口付近の混雑緩和のために500mほど離れた停留所までしか行かなかったのですが、今回はなんと入口まで直行。同乗していた地元おばさん集団が運転手に「もしかしてスタジアムの入口まで連れて行ってくれるの?」と声を掛けて、「そうだよ」と言われたら「キャー!」と大騒ぎ。些細なことでも嬉しいことに変わりなし。

 ネガティブなことが続く昨今、おばさんたちの素直なリアクションに、なんだか僕の心も少しだけ和みました。

 マインツは3万4000人収容のオペル・アレナで3403人の入場者数。こちらはフランクフルトとは違ってソーシャルディスタンスを保ったうえで、着席時もマスクの着用が義務付けられていました。

 ただし、この試合の週に移籍問題などで選手が練習をボイコットするなど不穏な空気が流れていたホームのマインツは、開始早々に先制しながらも、シュツットガルトに試合を支配されて1-4の大敗。試合中のスタンドもだんだん険悪な雰囲気になってきて、選手がミスを犯すたびにサポーターのため息とブーイングが鳴り響き、「人数が少なくても負のオーラって充満するんだな」と、変なところで意外な発見をしてしまいました。

 ちなみに、シュツットガルトは遠藤航が八面六臂の大活躍。相手ゴールキックに対して、「よーし! 俺が競るぞ!」とばかりに大きく手を広げるお得意のポーズを見せ、実際に打ち勝つなどチームの中核としての風格を漂わせていました。

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