ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
長谷部誠はブンデス最年長、コロナ禍でも「ハーゼうさぎ」となってイキイキ
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2020/10/12 11:02
30代後半となっても相変わらずハツラツとしたプレーを見せる長谷部誠。日本代表引退後も好調だ
クラブソング合唱、ブーイングもOK!?
気になる観戦環境ですが、スタジアムへの入場から自身の座席まではマスク着用が義務。座席は約1.5mの間隔を空けてソーシャルディスタンスを保つのですが、フランクフルトの場合は座席に着いたらマスクを外してもいいルールになっていました。試合中のコールや応援歌の制限もなく、サポーターは試合直前に流れるクラブソングを大合唱! ちなみに相手選手へのブーイングも問題なし(笑)。
スタジアム内にはソーセージ屋台もポテトフライ屋さんも出店していて飲食OK。ただしアルコールは禁止されており、ソフトドリンクもしくはノンアルコールビールのみ。現在、Jリーグも徐々に制限を緩和していると思いますが、やはり、日本とドイツとでは対応に若干の違いがあるようです。
「できる限り自家用車で訪れるように」
スタジアムへ向かう交通機関はさすがにこれまでとは異なりました。フランクフルトはクラブサイドから観戦者に向けて「できる限り公共交通機関ではなく、自家用車で訪れるように」というお達しを出し、その対応のためにスタジアム周辺の駐車場スペースを十分確保していました。
その結果、いつもなら試合当日の電車やトラムがすし詰め状態になるところが閑散とし、スタジアム周辺は今日が試合日だとは思えない雰囲気が漂っていました。
通常5万1500人フルハウスのドイチェバンク・パークが6500人ですから、人が少ないのは理解できますが、電車で向かった僕は「今日、本当に試合ある?」とスマートフォンで確認したほどです。ただ、行きつけのスポーツバーには店の外でフランクフルトのユニホームを着てビールを一気飲みしている一団がいたので、一安心。
試合は、堂安律が所属する昇格組のビーレフェルトに先制されながらも、FWアンドレ・シウバのゴールでドロー。こちらも、ホームチームにとっては胸をなでおろす結果でした。試合後もスタジアム周辺を取材しようと歩きましたが、大半が自家用車で帰路につくのでひっそりしていて、「普通ではないんだなぁ」という思いを強くしました。