酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「FA、人的補償で一番損してるの西武説」は本当か 12球団の流出選手を調べると…
posted2020/10/08 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki/Kiichi Matsumoto
先日、オリックスと楽天の試合を見ていたら牧田和久が出てきて見事なセットアッパーぶりを見せた。この試合では浅村栄斗も打点を稼いだ。
「そういえばこないだ、涌井の快投も見たな」
はたと思ったのは、これらの選手は数年前まで西武のユニフォームを着ていたということだ。
MLBに比べれば選手の流動性が低いといわれるNPBだが、それでも多くの選手が移籍している。ファンにしてみれば折に触れて「あの選手がいれば」と思うこともあるだろう。
そこで12球団の「流出した、2020年時点での現役選手たち」をリストアップしてみた。なお、最初に所属した球団に限定しており、出戻り選手は含まない。選手には「FA移籍=FA」「人的補償=人的」「海外FA=海F」「ポスティング移籍=PO」「育成」の但し書きをつけている。
但し書きがない選手はトレード、または譲渡、退団後の移籍だ。流出選手の多い球団順に並べてみた。
巨人が一番多いのはFA以外にトレードも
<巨人 18人>
・投手
村田透(米マイナー→インディアンス→日)、一岡竜司(広/人的)、久保裕也(De→楽)、公文克彦(日)、平良拳太郎(De/人的)、内海哲也(西/人的)、池田駿(楽)、高田萌生(楽)、澤村拓一(ロ)
・捕手
宇佐見真吾(日)、田中貴也(楽)
・内野手
ロペス(De)、中井大介(De)、奥村展征(ヤ/人的)、ビヤヌエバ(日)
・外野手
大田泰示(日)、長野久義(広/人的)、和田恋(楽)
最も流出した選手が多いのは巨人だ。三軍まであり選手数が多いこともあるが、原監督が再任になってからは積極的に選手をトレードに出している。
またFA移籍がなくて人的補償が多いのも特徴だ。
それだけに若手か成績的に全盛期から落ち始めているベテランが多く、働き盛りの主力級の移籍は2014年オフのホセ・ロペスくらいだ。移籍後に花開いた無名選手も散見される。