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夏はサッカー、冬はスキーに熱中…シュバインシュタイガーの少年期と、他競技経験のススメ
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/10/01 08:00
スキーW杯の表彰式にも登場するなど、シュバインシュタイガーは長らくスキーにも親しんでいる
いろいろな動作が“自然と”身につく
最近では同じフライブルクを拠点にするバスケットボールクラブのアイスフォーゲル・フライブルクと、共同で子供向けのスポーツプログラムを提供。また他にもアイスホッケークラブとも一緒にプロジェクトを考えたりするという。
「サッカーだけじゃなくて、バスケットボールもやってみたらそっちも面白い!」と思って楽しんでいたら、「投げる」「取る」「跳ぶ」「反応する」という動きが“自然と”身についていて、バスケットボールにおける駆け引きや、やり取りが経験則として残り、気がついたらサッカーでも身体や頭が以前より動くようになったというポジティブな効果が実際にみられるそうだ。
何より楽しいというのが一番だ。
「仲間とふざける時間も大切なんです」
そんなフライブルクでは「普通」であることを育成における大事なポイントの1つにしている。育成アカデミーで家庭教師を務め、教育的アプローチで子どもたちをサポートしているシュテファニー・フォンメルテンスはクラブとしての取り組みについてこう説明してくれた。
「私たちは子どもたちができる限り、普通の日常生活をここでも送れるようにすることにフォーカスを置いています。大事なのは学校での勉強、サッカーの練習だけではありませんから。友だちと遊ぶ時間、しっかりと休む時間、仲間とふざける時間も大切なんです。当たり前のことですが、そんな当たり前のことを当たり前に行えることが大事なのではないでしょうか?」
サッカーだけできればいいわけではない。クラブにある施設を選手はいつでも自由に使うことができる。室内体育館にはバスケットのゴールがあれば、卓球台やビリヤード台もある。
育成指導者統括者のマルティン・シュバイツァーは「空いた時間に仲間とここでバスケットボールをする。サッカーテニスをしてもいいし、ドッジボールをしてもいい。大事なのは彼らが自分たちでいろんなほかのスポーツを楽しみながらやることなんだ」と話をしてくれた。