欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
夏はサッカー、冬はスキーに熱中…シュバインシュタイガーの少年期と、他競技経験のススメ
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/10/01 08:00
スキーW杯の表彰式にも登場するなど、シュバインシュタイガーは長らくスキーにも親しんでいる
フライブルクの興味深い取り組みとは
ドイツ国内で育成力を非常に高く評価されているクラブの1つが、SCフライブルクだ。マティアス・ギンター(→ドルトムント、ボルシアMG)ら数多くの選手がトップクラブへステップアップしている中で、地元のお父さんコーチ対象の指導者講習会を開催している。
その中でまず強調されていたことは、「我々は子どもがどんな存在で、どのように成長するのかを知らなければならない」ということだった。
◆子どもは小さな大人じゃない。大人のやり方を子どもたちに強いるのは間違っている
◆子どもはオールラウンダー。チャレンジすることすべてが確かな力になる
◆夢中になって取り組める環境こそが大事。自分から試してみるからこそ身につく
◆プレーできる喜びを共有する。それが何よりの原動力となる
フィンケが語った「成長」の考え方
SCフライブルクではもう約30年前から育成チームのトレーニングカリキュラムに他のスポーツを行うことを取り入れている。礎を築いたのは浦和レッズの監督を務めるなど、日本でもおなじみのフォルカー・フィンケだ。
「選手を作り上げるなんてことはできないんだ。大事なことは、彼ら選手が成長をしていくという点を忘れないことだ。我々指導者が彼らを成長させるわけではない」と常々口にしていたフィンケは、どうすれば選手が成長するのかを考え続けて、クラブの育成哲学を確立させた。そのうちの1つがサッカーだけではなく、他のスポーツも積極的にすることだ。
定期的にチームでバスケットボールを楽しむ。時にバスケットボールチームの監督を招いてバスケットボールのトレーニングをすることもある。