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リーグ再開のNBA、試合激減のMLB、感染爆発の大学アメフト…米国スポーツで“明暗が分かれた”理由 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byGetty Images

posted2020/09/30 17:00

リーグ再開のNBA、試合激減のMLB、感染爆発の大学アメフト…米国スポーツで“明暗が分かれた”理由<Number Web> photograph by Getty Images

NBAはフロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にある複合施設「ESPN Wide World Of Sports」の会場で集中開催した

大学アメフトでは「100名以上いる部員のほとんどが感染した」

 プロスポーツと異なり、見切り発車でスポーツ活動を再開し、クラスター感染が多発しているのが大学のアメフトだ。米国の大学にとって、アメフトのチケット代、テレビの放映権などから得られる金額は莫大だ。学内でコロナ感染が拡大しているにもかかわらず、対面式の授業を半ば強制的に開始したのもアメフトなどのスポーツ活動を行うためではないか、と囁かれているほど。

 大学スポーツを取り仕切るNCAA(全米大学スポーツ協会)はコロナ対策の方針を各大学に送付しているが、各大学チーム、選手で意識が異なるほか、不可避の状況もあり感染は広まるばかりだ。

 昨季の優勝校ルイジアナ州立大学は5試合全勝と幸先のいいスタートを切ったものの、9月16日にクラスター感染が発覚。「100名以上いる部員のほとんどが感染した」と監督が公式発表をした。ほかにもテキサス工科大学では9月中旬の時点でチーム内の75人、これまでに1000人以上の学生が感染しているフロリダ州立大学はなんとアメフト部の監督までもが感染した。

「アメフトは接触の多いスポーツで、感染の危険性が高いほか、選手は授業や図書館、カフェテリアを利用するので、そこで一般学生との接触を避けるのは難しい」と関係者は指摘する。プロスポーツのように学生選手をバブルで完全隔離することもできないため、感染者数はまだまだ増える見込みだ。

 プロスポーツと大学スポーツで明暗を分けたコロナ対策。収束の兆しが一切見えないまま、大学スポーツはどう展開していくのかも気になるところだ。

(合わせて 部屋が足りなすぎて訴えられるかも……東京オリンピックの「ここが危ない」4つの感染リスク もご覧ください)

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