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投手転向1年で150km到達、赤上優人のスカウト評は? 成長を予感した指揮官の12年前の記憶 

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永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKoeki Univ.

posted2020/09/30 07:00

投手転向1年で150km到達、赤上優人のスカウト評は? 成長を予感した指揮官の12年前の記憶<Number Web> photograph by Koeki Univ.

投手転向後、急成長を遂げている赤上優人。東北公益文科大学として初のNPB入りを目指す

横田監督が施したメンタルトレーニング

 ただし、ピッチャーとしての経験はまだまだ不足していた。いくら球速が出ると言っても、初回から最終回まで投げ続けられるスタミナもなければ、投球術もまだ身に付けていなかった。さらに球審のジャッジや、相手打線に打ち込まれるとカリカリしてしまう精神的な脆さもあった。

 そんな赤上に、横田監督はマンツーマンのメンタルトレーニングを施した。

 5秒で息を吸って、7秒で息を吐くアンガーマネジメントに、自身の状態、天候、試合状況などを踏まえた上で成功したイメージを思い描くビジュアリゼーションを取り入れ、これを試合前や、試合で窮地を迎えた際に取り入れるよう指導した。

「性格が素直というのが彼の一番の強みですね。技術的な指導でも牽制やクイックをどんどん吸収していきましたし、練習量に関しても、彼がズバ抜けて一番でした。やっぱり『上(プロ)に行くんだ』という強い意識を持っている子ですからそのあたりは違いましたね」

 高校時代も元々はピッチャー志望だったという赤上だが、当時は小木田敦也(現TDK野球部)の存在もあってその陰に隠れていたという。それが大学3年秋になると急成長を遂げ、前出の石森と共にダブルエースとしてチームを支え、リーグ戦では自己最多の4勝。プロのスカウトにも注目される選手に成長した。

自信をつかんだ秋、幅が広がった投球

 赤上はここまでをこう振り返る。

「昨年の秋はだいぶ収穫がありましたね。リーグ戦で完投出来たのも昨年の秋のリーグ戦が初めてだったので。自分が長いイニングを投げられるのもそこで分かりましたし、最終節(対東日本国際大)では2日連続で試合の終盤を任せてもらって、ショートイニングでしたけど連投もできることを証明できました。かなり自信にはなりましたね」

 変化球も覚えて、投球に幅を持たせられるようになったのも大きい。

「それまでは球速150kmを目指して、ただ腕を振って、ガンガンと圧していくスタイルだったんです。それが昨年からは変化球もコースを意識して投げられるようになって、そこが変わったかなと思います」

【次ページ】 変化球も覚えた赤上のスカウト評は?

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