箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝まで3カ月 「走る量は6割に減ってしまった」早大競走部は“合宿NGの夏”にどんな練習をした?
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2020/09/28 17:30
8月中は夏合宿が行えなかったため、所沢キャンパス内での練習が中心になった早稲田大学競走部
「夏は走り込んでスタミナづくり、脚づくりの期間と考えていましたが、その構想が崩れてしまいました。でも、前半戦もコロナの影響でスケジュールが変わりましたし、今ある環境の中でベストを探りながらやっていくのが今シーズンなのかなと思っています。スピード強化は自粛期間があってもうまくいったし、この夏もできることをやろうと思いました。法政さんも合宿ができないと聞いていたので、すぐに坪田さん(智夫、駅伝監督)に電話して、“日帰りで走りに行けるところはありませんか”って聞いたりしました」
例年の6割「走る量的には大打撃だった」
夏合宿期間は、本来であれば、朝、午前、午後の3部練習を行うところだが、暑さを考慮して、朝は5時半に練習をスタート。午前中は、エアコンのある部屋にトレーニング器具を持ち込み、各自でフィジカルトレーニングの時間に当てた。午後練習は17時半スタートで、日が沈んでからポイント練習(負荷の大きい練習)を行った日もあったという。また、長い距離を走る練習の日には、山梨・西湖まで日帰りで行ったこともあった。
そんな工夫を凝らしても、走る量は例年の6割程度に過ぎず、「走る量的には大打撃だった」(相楽監督)。
ただ、デメリットばかりに目を向けていても仕方ない。相楽監督は、悪条件をも前向きに捉えていた。
「いつもみたいに、“朝何キロ、午後何キロ”と走る距離を決めるのではなく、各自の体調に合わせた練習をけっこう行なっていましたが、結果的に故障者が減りました。それに、生理学的な効果もあって、暑い所沢で走っていたので、涼しくなってきてから、みんなの調子が上がってきています。必ずしもマイナスだけではなかったと思っています」
「まだまだ自分たちは甘かった……」大迫傑のキャンプに行った2人
8月17日~24日には、男子マラソンの日本記録保持者の大迫傑(Nike)が主催するSugar Elite short Camp(長野)が開催されたが、少数精鋭のこのキャンプに、早大からは中谷と千明龍之佑(3年)が参加した。この2人は今年3月にケニアで合宿を行う予定だったが、新型コロナウィルスの影響で渡航もできなかった。それだけに、このキャンプには、自ら相楽監督に参加を直訴した。