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ディーン元気、ユニフォームを引き裂いて喜び爆発! セイコーGGPで雄叫びの大復活

posted2020/09/29 07:30

 
ディーン元気、ユニフォームを引き裂いて喜び爆発! セイコーGGPで雄叫びの大復活<Number Web> photograph by Asami Enomoto

国立競技場で東京五輪の参加標準記録85m00を見据える好記録をマークしたディーン。1年後へ、視界は良好だ

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Asami Enomoto

「100点満点」と胸を張った投てきで、涙の完全復活だ。陸上の「セイコー・ゴールデングランプリ」が8月23日、国立競技場で行なわれ、男子やり投げで'12年ロンドン五輪代表のディーン元気(ミズノ)が、自身7年ぶりの80m超えとなる84m05で優勝した。1投目の79m88で首位に立ち、好感触を掴んだ。その後、5投目に'16年リオデジャネイロ五輪代表の新井涼平が81m02を出し、2位で迎えた最終6投目。ディーンはゆったりとした保持走からクロス走に移り、全身のパワーを一瞬に凝縮。84m05は自身のセカンドベストだった。

 記録を確認したディーンは「シャッ!」と雄叫びを上げると、胸元からユニフォームを引き裂いて歓喜を爆発。「怒られそう。許してください」と苦笑いしながらも、「やりを見たら行ったなと思った。しっかり押せた。ようやく仕事場に戻ってこられました」としみじみ言った。

 早大3年だった'12年の日本選手権。'09年世界選手権銅メダルの村上幸史が狙う大会13連覇を阻んだのが、ディーンだった。勢いのままロンドン五輪に出場し、決勝に進出して10位。しかし、その後はケガに泣いた。スピードに乗った助走から急ストップするやり投げは体への負担が大きく、痛みの不安から頭の中でリミットをかけてしまっていた。

「復活してくれて嬉しい。やっと一緒に戦える」

 だが、このままで終わる訳にはいかない。不屈の精神でケガの悪循環を乗り越えると、昨年ようやく体が万全に。さらにはクラウドファンディングで集めた100万円を手に、昨年11月から今年3月までフィンランドと南アフリカで合宿し、実力を取り戻した。「東京五輪は1年延びたけど、やってきたことは間違っていない」と手応えを感じている。

 2位の新井に対しては感謝の気持ちを口にした。ディーンが不調にあえいでいる時期に台頭してきた同学年の好敵手。「新井君が5投目に上回ってきたので、そのお陰だと思う。勝負はやっぱり楽しいですね」。ディーンがそう向けると、新井も「ずっと一緒に闘ってきた仲間。復活してくれてうれしい。やっと一緒に戦える」と応じた。

 ディーンの復活に加え寒川建之介、小南拓人ら80mスロワーが目白押しになっている日本男子やり投げ界。1年後の楽しみがまた増えた。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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