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堂安律はドイツでまだ“全く無名” 新天地ビーレフェルトで再び成り上がれ 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2020/09/16 11:40

堂安律はドイツでまだ“全く無名” 新天地ビーレフェルトで再び成り上がれ<Number Web> photograph by Getty Images

オランダからドイツに新天地を求めた堂安律。その野心をブンデスの舞台で発揮してほしい。

ドイツ国内において、全くの無名

 ちなみに昨季のエールディビジは、ドイツ版のDAZNに有料で契約すればドイツ国内で試合を視聴できましたが、果たしてドイツ国民の何人がPSVで19試合2得点した選手のプレーをその眼で観たかは分かりません。

 正直に申し上げると、ドイツ国内における「リツ・ドーアン」の扱いは全くの無名選手。それが現実的な今の彼への評価なのだと思います。

 でも、日本人のサッカーファン、サポーターは堂安律のことを知っています。才能溢れる左利きのアタッカーで、日本代表としても実績を築き上げてきた選手。そして勇躍挑んだオランダの地で地道に実績を築き上げながらも、今は新たな高い壁に直面する中で一層の飛躍を期し、不退転の決意で新天地へ降り立った。ポジティブで野心的な稀有なキャラクターも相まって、彼の挑戦に期待するのは僕だけではないでしょう。

コレクティブなスタイルで注目

 堂安が1年間のレンタルで加入したビーレフェルトは、昨季ブンデスリーガ2部で2位のシュツットガルトに勝ち点10差を付け、文句のつけようのない成績でトップ昇格を果たしました。

 190センチの長身で指導者経験豊かな60歳のウーヴェ・ノイハウス監督が志向するチームスタイルは、非常にコレクティブなものです。スピード&パワーを駆使するフィジカル一辺倒ではなく、洗練されたコンセプトを有していて、ドイツ国内では戦術面、戦略面でも注目されています。

 ただし、ブンデスリーガ1部はそれほど容易なリーグではありません。

 上位クラブの大半は新進気鋭、もしくは歴戦の指揮官が率いていて、”盟主”バイエルン・ミュンヘンに代表されるように戦術面においてもヨーロッパ屈指の洗練度を誇っています。ちなみに昨季の昇格クラブだったパーダーボルンは指揮官のステッフェン・バウムガルト監督が緻密なスタイルを用いて内容面で互角の戦いを見せましたが、結局4勝8分22敗の勝ち点20で最下位に終わり、1年で2部へ降格してしまいました。

 この事実から、現在のブンデス1部がチーム戦術、戦略の機微を求められるのは当然として、ハイレベルな選手を十全に揃えたクラブこそが頂点に近づける、シビアな舞台となっていることを実感します。

【次ページ】 3トップの右ウイングが特性にハマる

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堂安律
ビーレフェルト

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