サムライブルーの原材料BACK NUMBER
天然氷と銀座3丁目。マリノスや水戸などで16年間プレー、“マムシ”小椋祥平はいま何を?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshiya Kondo
posted2020/09/06 11:30
“マムシ”、“水戸のガットゥーゾ”などの異名を持つ「略奪系ボランチ」だった小椋氏。コロナ禍の不況にも食らいついて新たなキャリアを構築中だ。
脳の疲労、精神的疲労、身体的疲労の3つがある。
自分がやりたいこと。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、“何をやりたいか探し”が外でできなくなってしまった。ならば自分の頭のなかで探していくしかない。
拠点は、妻も子供も気に入っている甲府に変わらず置くことは決めていた。
やりたいことをようやく思いついた。それがリカバリーサロンだった。
「練習後にリカバリーでジョギングをして体をほぐすっていうのはどこもやっているとは思うんですけど、それで十分なんだろうかっていつも考えてはいたんです。
調べてみると、疲労には脳の疲労、精神的疲労、身体的疲労の3つがあって、ジョギングは身体的疲労を解決するだけ。3つ揃ってはじめてリカバリーって言えるんじゃないのか、と。
鍛えて、回復してのサイクルはアスリートだからこそ大切さが分かっています。体を鍛えるジムはいっぱいあっても、回復する施設がないなら自分がやってみようかって」
講習会にも参加して資格を取得。
毎日パソコンと向き合ってはリサーチの日々が続いた。
調べていくと、ニューヨークに自分が考えているようなリカバリー専門のジムがあると知った。最初はアスリート専門のサロンを想定していたが、一般の人を対象にしたいと考え直した。
脳を活性化させるプログラム「ライフキネティック」の公認講習会にも参加して資格を取得するなど、「脳の疲労」「精神的疲労」の回復について自分なりに学んだ。
コロナ禍による影響は事業の立ち上げにもかかわってくる。しかし彼は逆にポジティブに受け止めようとしていた。
「不安はめちゃめちゃあります。でもコロナ禍を乗り切れたら、コロナが終息したら安定してくるんじゃないかって思っているんです」