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異例CL、真夏のリスボン短期決戦。
世情に沿った大波乱は連鎖するか。

posted2020/08/12 11:50

 
異例CL、真夏のリスボン短期決戦。世情に沿った大波乱は連鎖するか。<Number Web> photograph by Getty Images

いつものホーム&アウェーではなくリスボンの地で一発勝負。歴史に残るCL、結末は名門の戴冠か、それとも世情を表す大波乱となるのか。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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 今季の欧州王者は、史上初となる全試合一発勝負のミニ・トーナメントで決することになった。

 今週から12日間にわたって、チャンピオンズリーグの準々決勝以降がポルトガルの首都リスボンで集中開催されるのだ。パンデミックの副産物ではあるが、W杯やEUROの決勝トーナメントのようなハイレベルな短期決戦はとても楽しみだ。

 疫病の影響により大会が中断されていた間、UEFAが残りのシーズンの代替案を模索し、6月中旬にこの新方式を決定。先週末にラウンド16の未消化分が行われ、クライマックスに臨む8チームが出揃った。

 ただし非常時のシーズンらしく、そこにあるはずのチーム名がない。昨季王者リバプール、ダントツの最多優勝回数を誇るレアル・マドリー、イタリアの盟主ユベントス、昨季準優勝のトッテナム・ホットスパーがラウンド16で敗退。つまり、過去4シーズンの優勝チームだけでなく、過去3シーズンの全ファイナリストがベスト8にひとつも残れなかったわけだ。世の中と同じように、波乱に満ちている。

“いびつな”トーナメント表に。

 7月中旬に決まったトーナメント表もいびつだ。

 片方の山には、アタランタ(イタリア)、パリ・サンジェルマン(フランス)、ライプツィヒ(ドイツ)、アトレティコ・マドリー(スペイン)と、過去に優勝したチームがいない。かたや、もうひとつのやぐらには、バルセロナ(スペイン)、バイエルン(ドイツ)、マンチェスター・シティ(イングランド)、リヨン(フランス)が入り、彼らの合計優勝回数は10(バルセロナとバイエルンが5度ずつ)。全体でフランス勢の数がイングランド勢を上回るのも、見慣れない欧州8強の光景だ。

 一発勝負のノックアウトラウンドでは、何が起こっても不思議ではない。それでも、アタランタ対パリ、ライプツィヒ対アトレティコ、シティ対リヨンは順当にパリ、アトレティコ、シティが勝ち進むのではないか。

【次ページ】 バルサvs.バイエルンは戦力が拮抗。

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