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異例CL、真夏のリスボン短期決戦。
世情に沿った大波乱は連鎖するか。 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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photograph byGetty Images

posted2020/08/12 11:50

異例CL、真夏のリスボン短期決戦。世情に沿った大波乱は連鎖するか。<Number Web> photograph by Getty Images

いつものホーム&アウェーではなくリスボンの地で一発勝負。歴史に残るCL、結末は名門の戴冠か、それとも世情を表す大波乱となるのか。

バルサvs.バイエルンは戦力が拮抗。

 唯一、戦力的に拮抗しているのが、バルセロナ対バイエルンだ。

 前述した優勝回数が示すように、どちらも伝統と風格を備えるクラブ・フットボール界の巨頭である。

 ともに昨季は、チャンピオンズリーグでのちに優勝するリバプールの前に屈し(バルセロナが準決勝、バイエルンはラウンド16)、国内では連覇を達成。しかし今季はバイエルンが8連覇を遂げた一方、バルセロナは終盤にレアルに首位の座を譲り渡し、3連覇ならず。その要因は、複数のクラブ首脳陣の辞任や監督交代の不手際、リオネル・メッシら主力選手とコーチ陣の不仲など、クラブ内部の騒動にありそうだ。

 実際、リーガで首位に立っていた時に指揮官を代え、新監督のもとで順位を下げてしまったのだから、目も当てられない。ナポリとのラウンド16第2戦は切り抜けたが、次の相手はそんな状態で乗り越えられる壁には見えない。

レバンドフスキは7試合13得点!

 ドイツの巨壁バイエルンは逆に、シーズン途中の監督交代が吉と出た。一時は7位にまで順位を下げたが、最後の20試合を19勝1分で駆け抜けて見事に逆転優勝。アシスタントから昇格したハンジ・フリック新監督の手腕もさることながら、ロベルト・レバンドフスキの存在が何よりも大きい。

 ポーランド代表のエースストライカーはブンデスリーガで34ゴールを叩き込んで得点王となり、CLでもここまで13得点でスコアランキングの首位に立つ──どちらもキャリアハイだ。また先週末のチェルシーとのラウンド16第2戦でも2度ネットを揺らし、今季のCLでは出場した全7試合でゴールを奪っている。

 今季決勝の2日前に32歳となるベテランが、ドルトムントに所属していた7年前の決勝で、現所属先に敗れて逃した悲願のタイトルを手にするか。チームも圧倒的な攻撃力を示しており(今大会の総得点31、次点はパリとシティの20点)、バイエルンを優勝候補の最右翼に位置付ける向きも少なくない。

【次ページ】 来季以降もCL参加のマンCも充実。

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