フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦の実績、貢献は別格。
必然のISUアワード初代最優秀選手賞。
posted2020/07/15 11:50
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
7月11日土曜日、国際スケート連盟(ISU)が初回ISUスケーティングアワードの授賞式をオンライン開催した。
これはISUと、欧州でもっとも規模の大きなアイスショー「アートオンアイス」のプロデューサーらからなるスケーティングアワード委員会が共同で企画したもので、アカデミー賞のフィギュアスケート版をイメージして創設されたという。
本来は3月にカナダのモントリオールで開催されるはずだった2020年世界選手権の最終日に行われる予定だった。
6人のジャッジに日本からは安藤美姫が。
カテゴリーは6部門あり、最優秀新人、ベストコスチューム、ベストコーチ、ベスト振付師、ベストプログラム、そして最優秀選手。これらの6部門は、スケーティングアワード委員会が予め選出した候補者たちの中から、ISUメンバー、プレス関係者、そして一般投票を経てトップ3がファイナリストに選出される。
この最終候補の中から、受賞者を決定するのは、6人のジャッジたちだった。いずれも過去の世界選手権、オリンピックメダリストで、カナダのエリック・ラドフォード、中国の陳露、フランスのスリヤ・ボナリー、アメリカのトッド・エルドリッジ、ロシアのタチアナ・ナフカ、そして日本からは安藤美姫が任命された。
「もっとも価値のあるスケーター」は羽生結弦。
すでに報道されたように、「最優秀選手」には羽生結弦が選ばれた。
英語ではMost Valuable Skaterである。これまでメジャーリーグなどのMVPも日本語では「最優秀選手」と翻訳されてきたが、直訳すると「もっとも価値のあるスケーター」だ。
ISUが出した受賞条件は、「ファンを増やし、メディアの注目度を上げ、スポンサーから高い評価をされるなど、フィギュアスケートの人気をあげることに貢献した選手」とある。
他のファイナリストはネイサン・チェンとガブリエラ・パパダキス&ギョーム・シゼロンだったが、誰が見てもこの条件において羽生結弦以外に相応しい受賞者はあり得なかっただろうと思う。