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鍵山優真の驚くべき4回転ジャンプ。
父の理論、遺伝、基礎練習で花開く。

posted2020/07/12 20:00

 
鍵山優真の驚くべき4回転ジャンプ。父の理論、遺伝、基礎練習で花開く。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

今年2月の四大陸選手権、SPの演技後にガッツポーズを見せる。自己ベストを更新する91.61点を獲得。冒頭の4回転トウループは3.26点の加点を得た。

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph by

Asami Enomoto

 フィギュアスケート界の新たなサラブレッドとして注目を集めているのが、今季からシニアに挑戦する17歳の鍵山優真だ。

 昨年の全日本選手権では、宇野昌磨、羽生結弦に次ぐ3位と大健闘。滑りの美しさやジャンプの緻密さは、ジュニアというよりはベテランの熟成された選手のようだ。

 優真を幼少期から指導してきたオリンピアンの父・正和氏が、その強さ、そして目標を語った。

 正和氏へのインタビューが叶ったのは、優真が世界ジュニアで銀メダルを獲得して帰国した、3月中旬のこと。緊急事態宣言が出される前で、ホームリンクである横浜銀行アイスアリーナも制限はあるものの営業を続けていた時期だった。

 この日、正和氏は現役当時と変わらず、寡黙な様子でリンクサイドにたたずんでいた。

 生真面目な表情で、短い言葉で優真にアドバイスを投げかける。的確なひとことだけで、すぐにジャンプのミスを修正していく、職人芸のような指導だ。

正和氏が復帰したのかと思うくらい、似ている。

 インタビューが始まると正和氏は、確信に満ちた表情で、優真への指導内容やスケートへの信条を語ってくれた。

 まず鍵山親子といえば話題になったのが、父親譲りの身体能力だ。

 正和氏の現役時代を見たことがある人なら、語るまでもないだろう。似ているどころではなく、まるで正和氏が復帰したのかと思うくらいだ。

 特徴的なのは“猫足着氷”と呼ばれる、股関節・膝・足首を柔らかく使ったジャンプの着氷。織田信成や宇野昌磨なども膝を深く曲げて着氷できるタイプだが、鍵山親子の場合は、膝を曲げるだけでなくバネが仕込まれているかのように柔らかく動かす。

 着氷の衝撃を和らげることでケガの防止にもなるし、氷との摩擦を吸収するように降りるので、流れも良くなる。

【次ページ】 猫足着氷は「正直なところ生まれ持ったもの」。

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