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本田圭佑のSNSとブラジルのタブー。
サッカー選手の“概念”を変えるか? 

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byZUMA Press/AFLO

posted2020/07/17 15:00

本田圭佑のSNSとブラジルのタブー。サッカー選手の“概念”を変えるか?<Number Web> photograph by ZUMA Press/AFLO

ボタフォゴ移籍後もSNSで積極的な発信を見せる本田圭佑。その言動はブラジルサッカー界を驚かせている。

投稿への返信を読んでみると……。

 この話のポイントは、少なくとも2つあると考える。

 本田のリオ州選手権の大会規則批判は妥当か、そして、フットボール選手がこのような発言をすることははたして傲慢なのか。

 とりあえず5日の本田の投稿への反応を読んでみることにした。

 その大半はボタフォゴファンからで「その通り。リオ州選手権の規則はナンセンス」という同意、もしくは「悪くない出来だった。ブラジルリーグではさらに頑張ってくれ」というプレー自体への激励だった。 

 残りはフルミネンセ、フラメンゴなど他クラブのファンからのもの。「ショロン」(泣き虫)、「敗退した後で文句を言うな」という声があったが、傲慢というニュアンスのものはほぼ見当たらないように感じられた。

規則についての現地記者の意見は半々!?

 本田が「規則は変更されるべきだ」と主張した、州選手権の準決勝における決勝進出の条件が妥当かどうかについて、複数のブラジル人記者に聞いてみたが、意見はほぼ半々に分かれた。

 個人的には、グループステージでの順位が上だったからといって大きなアドバンテージが2つも与えられるのは過剰だろうと考える。日程の問題で1試合しかできないのであれば、本田が言うように延長なりPK戦なりを行なうべきだったのではないか。

 先に説明したように、実際にはボタフォゴはホームでプレーした。無観客で行なわれ、サポーターの応援による後押しはなかったとはいえだ。一方で、この試合は後期の準決勝であり、すでに前期も同じ規則で行なわれていたわけである。だから、前期にプレーしていなかったとはいえ、本田がこの時期に大会規則に異議を唱えるのは「今さら」という感じがするのも確かである。

 ただし……本田は今年の大会そのものについて文句を言っているのではなく、今後の大会運営について言及しているようだ(本田のツイートの原文は以下の通り。「a rule will have to be changed」)。であれば、いついかなるときに異論を唱えても、それはかまわないのではないだろうか。

【次ページ】 ロマーリオ、エジムンドらのメディアとの軋轢。

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