ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
女子ゴルフ開幕戦のYouTube配信。
5日間677万3987回再生はすごい?
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAtsushi Tomura/Getty Images
posted2020/07/08 20:00
テレビ中継ではなく、インターネット中継となった開幕戦。渡邉彩香が優勝を決めたプレーオフでは24万以上の接続台数を記録した。
比較すると、飛びぬけた数字ではある。
ここまでの前提としてあるのが、それぞれがテレビ中継とのダブル放送だったこと。一部はテレビ視聴を優先させるため、勝負が決まるような局面ではネット中継をストップさせることもあったが、こちらも独自で実況アナウンサーや解説者、自前のカメラを準備する体制を取った。
他方、国内男子ツアーでは2018年から下部ツアーのタイトルスポンサーとなったAbemaTVがテレビ中継なしで全試合をネット放送している。今平周吾、石川遼らが主戦場にするレギュラーツアーを目指す選手たちによる、いわゆる“二軍戦”の3日間大会。これまで期間中合計の最高値は横峯さくらが出場した同年の約105万回。以降は各大会50万~80万といったところで昨年まで推移している(いずれも日本ゴルフツアー機構、AbemaTVによる参考値)。
こう見ると、改めてアース・モンダミンカップの677万3987回(5日間の総再生回数/4チャンネル)、132万回(最終日/1チャンネル)、24万以上(プレーオフの同時接続数)という数字は、ネット中継史では飛びぬけた数字であることは明らかだ。
雨順延の効果もあった?
テレビ放送のない独占中継だったこと以外に、数字が伸びる好条件もそろっていた。コロナ禍で多くの人がライブのスポーツイベント、真剣勝負の場を待ち望んでいたこと。大会が無観客で行われ、普段は会場にいる選手に近い関係者さえも、様子を知る術が他になかったこと。もちろん、勝敗の行方がプレーオフにもつれる熾烈な争いだったのもそのひとつ。
さらには、最終ラウンドが雨で順延され、月曜にもつれ込んだことは必ずしも視聴数が下がる要因になっていないという見方もある。もともとメインターゲットである“ゴルフ好き”は、中継のある週末の日中は自分がプレーを楽しんでいる(放送を見ていない)ケースも多い。平日のリモートワークの定着により、今回は仕事中にテレビの前に行かずともスマホで、あるいは業務をこなしながらパソコンで熱戦を見ることもできた。