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渋野日向子、モグモグも笑顔も控えめ。
開幕戦はずっと“ゴルフしている”感じ。
posted2020/06/29 20:30
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Getty Images/JLPGA提供
なんだかすごく真面目にゴルフしているように見えた。ゴルフに汲々としている、と言い換えてもいい。
本来の予定から3カ月以上遅れた国内女子ツアーの2020年シーズンの開幕戦。「アース・モンダミンカップ」で予選落ちに終わった渋野日向子を見ていたら、そんな印象を抱いた。
今大会はテレビ中継がなく、YouTubeでの完全ネット配信で行われた。観客はもちろん、メディアもコースには入れず、画面を通じて見るだけ。会見などもすべてリモートで行われた。
ネット配信された映像は、よくいえばまんべんなく、悪くいえばメリハリがない。限られたカメラとスタッフ(主催者は人員確保など相当苦労したらしい)で広範囲を長時間に渡ってカバーするのだから無理もない。テレビ中継であればお決まりの、渋野がラウンド中に大笑いする姿やお菓子を頬張る姿はほとんど映らず、ワンオブゼムといった感じでショットやパットを打つ瞬間だけ画面上にポッと現れるのだ。だから余計にそう感じたのかもしれない。
初日の1番ティーショットを打った後だけカメラマンと何やら言葉を交わして楽しそうに歩く渋野が見られたが、それ以外は淡々と、少し遠めの位置でプレーが映し出されていく。プロゴルファーであり、ゴルフトーナメントだから当たり前なのだが、なんだかずっと“ゴルフしている”感じだった。
チョコ1つ、飴1つ、ウイダーぐらい。
映像上、そう見えていただけなのだろうか。本人の話を聞いてみると、そうではなかったようだ。
たとえばお馴染みのお菓子タイム。
「雨で中断している間にチョコレートを食べました。あとウイダー(ゼリー飲料)ぐらいですかね。ウイダーを途中途中で食べました。それぐらいですかね。食べるよりも試合に必死でした(笑)」と初日はこんな感じ。2日目も「今日はチョコレート1つと、塩分チャージ(の飴)1つと、ウイダーくらいです」と食い気がない。ドラえもんの四次元ポケットのごとく、キャディーバッグから次々食べ物を取り出してきた彼女らしくない。
「やっぱり久しぶりの試合でちょっと緊張していましたね。1打1打かなりいろんなことを考えて打ってはいたので、その中でも緊張感があったと思います」