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J1再開! 福西崇史のボランチ目線で
注目はオルンガ、田中碧、川辺駿。 

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福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

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photograph byJ.LEAGUE

posted2020/07/03 20:00

J1再開! 福西崇史のボランチ目線で注目はオルンガ、田中碧、川辺駿。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

開幕戦でも2ゴールを能力の高さを見せつけたオルンガ(中央後ろ)。クリスティアーノ、江坂任らとのコンビネーションにも注目してほしい。

田中碧がレベルアップするには?

<続いては川崎フロンターレ、そして田中碧だ。開幕節こそサガン鳥栖と0-0のドローに終わったものの、昨シーズンのJリーグベストヤングプレーヤー賞に輝くなど進境著しい田中碧は、今季は鬼木達監督の下で新たなチャレンジに取り組んでいる。>

 フロンターレは今シーズン、システムを4-3-3に変更しました。田中碧は中盤3枚の底、いわゆるアンカーを務めます。この新たなポジションでどれだけできるか、期待して見ていきたい。

 どのポジションも実力ある選手がそろっていますが、特に前線と中盤は豊富。(中村)憲剛と小林悠がケガをしているとはいえ、スリートップはセンターフォワードにレアンドロ・ダミアン、サイドだと家長、長谷川(竜也)、齋藤(学)、旗手(怜央)、三笘(薫)。そして中盤は大島(僚太)、脇坂(泰斗)、守田(英正)、と誰が出ても高いレベルの選手たちです。

 そんな彼らが生きるかどうかは、中盤の深い位置でゲームをコントロールする田中碧の力にかかっていると個人的には考えていますし、彼のパスセンスや視野の広さがあれば、十分にその役割を果たせるはず。

 そして田中碧はゲームメーク力だけでなく、相手からのボール奪取など、ここ数年で守備でもレベルアップしています。アンカーを任される中で相手の選択肢や攻める方向を限定するなど、「周囲を動かしながら守る方法」を覚えたら、さらにレベルアップするでしょうね。

川辺駿の前に出る姿勢に期待。

<そして最後に触れるのは、サンフレッチェ。注目するのは青山と中盤でコンビを組む川辺だ。開幕戦では鹿島アントラーズ相手に3-0の勝利。その内容の良さを踏まえて期待を寄せている。>

 城福(浩)監督が率いるサンフレッチェは開幕戦を見る限り、今シーズンもチーム全体の戦術理解度が高いなと感じました。

 ボールを握ってしっかりと組み立てていく状況を作ったかと思えば、ショートカウンターを狙いに行く局面を使い分けて、城福監督の描いているイメージを選手たちが表現できていた。その開幕戦でうまくいったことを中断期間でもトレーニングで磨けているかどうか。

 その中で川辺は青山とコンビを組みます。全体をコントロールする青山の経験値にプラスして川辺が攻撃に出ていけたら、チームにさらなる厚みが出る。守備と攻撃の比重に関わってくるので、注目したいところですね。

 また広島など地方クラブの場合は比較的早い段階でグループでのトレーニングが再開されるなど、コンディションが関東圏のクラブより上がりやすかったかもしれません。そういった部分も今後どうなるかも見ていきたいですね。

【次ページ】 「リモートマッチ」の魅力を楽しんで。

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