福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
J1再開! 福西崇史のボランチ目線で
注目はオルンガ、田中碧、川辺駿。
posted2020/07/03 20:00
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
J.LEAGUE
<2020年のJ1リーグが7月4日にいよいよ第2節から再開される。各クラブのファン・サポーター以外も注目するタイミングということもあり、見どころを福西崇史氏に聞いた。まずはこれまでと全く違う日程で行なわれる影響について、こう展望している。>
いよいよJ1が再開しますね。日常にサッカーが戻ってくることが本当に楽しみな一方で、今シーズンはどのクラブが優勝争いに食い込んできても全く不思議ではない戦いになると思います。
4カ月余りの中断期間があっての再開ということで、中2日、中3日の試合が続きます。なおかつ気温の高い夏場です。ドイツのブンデスリーガなどでも再開直後にケガ人が出たことから、コンディショニングを整えるのがとても難しいことが分かってもらえると思います。主力選手の負傷離脱などでチーム力が大きく変わる可能性がある。選手交代枠も5人となる中でどの選手やクラブが力を発揮できるかが、キーポイントとなるでしょうね。
オルンガだけじゃないレイソル。
<文字通りこれまでとは違うJ1になるわけだが、2月に開催された第1節を“おさらい”しつつ、再開節においての注目選手やクラブを聞いた。福西氏は3つのクラブと選手を挙げてくれた。柏レイソルとFWオルンガ、川崎フロンターレとMF田中碧、サンフレッチェ広島とMF川辺駿だ。まずは開幕戦を4-2と大勝した柏レイソルから。>
テレビのリモート取材で各クラブの主力である江坂(任)、家長(昭博)、青山(敏弘)の3人に話を聞きました。彼らの意気込みが伝わったとともに、そのほかの選手にも注目しています。
今シーズンからJ1に復帰したレイソル。その注目点は「オルンガはJ1でも通用するのか」です。2019年はJ2で圧倒的な能力を見せていたオルンガは、開幕節のコンサドーレ戦でも2ゴールを決めて、前線の起点にもなっていました。
高さ(193cm)、スピード、ストライドの長さはJ1でも十分に通用することを見せつけてますし、コンサドーレ戦のようなクオリティを毎試合のように出してくれば対戦相手としては要警戒でしょう。
ただレイソルの攻撃陣はオルンガさえ抑えればなんとかなる、というわけではない。むしろオルンガとクリスティアーノ、江坂が絡んだ攻撃力に注目してほしいですね。力強さと巧さの両方を持つクリスティアーノに、コンサドーレ戦で2ゴール1アシストをマークした江坂も技術と判断力に優れている。この3人を中心とした攻撃は、再開後もかなりの迫力を見せると思います。
一方で守備陣は新加入選手が多く(GKキム・スンギュ、DF高橋祐治、北爪健吾、大南拓磨)、どれだけ中断期間のトレーニングでチームのやり方に馴染んだか。そしてその選手たちをネルシーニョ監督がどう起用していくのかも、とても楽しみですね。
再開節の対戦相手は昨シーズン2位のFC東京。ここでいい内容の試合ができれば、一気に勢いに乗る可能性もあります。