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DeNA濱口遥大の変化と大事な幹。
今永昇太と並ぶ先発ローテの軸に。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/06/08 11:30

DeNA濱口遥大の変化と大事な幹。今永昇太と並ぶ先発ローテの軸に。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

昨季は17試合で6勝5敗、防御率3.17だった。ルーキーだった2017年以来の2桁勝利を目指したい。

誰よりも早い始動、増した球威。

 復活を期す濱口は今シーズンに向け、誰よりも早く行動を起こした。シーズン最後の球団イベントである11月24日の『ファンフェスティバル2019』を終えると、すぐにアメリカのシアトルへと渡り、『ドライブラインベースボール』で2週間ほどトレーニングを行った。目的は怪我をしないフォーム作りと球速のアップ。濱口は最先端の施設で自分の動作を解析してもらい、トレーニングしながら修正点を日本に持ち帰った。股関節の痛みの原因は上半身の使い方にあるとわかり、キャンプからコロナ禍で開幕が遅れたこれまでの期間、じっくりと向き合いフォームを固めた。

「ある程度、自分のなかでカタチができたというか、フォームに関してはこれで行けるという“幹”みたいなものができあがりました。あとは下半身も含めて可動域を出しながら、締めるところは締めてバランスを保つことができれば1年間、怪我なくやれるのではないかといった手応えはありますし、楽しみなシーズンになりそうです」

 明るい表情の濱口。加えてストレートにも磨きがかかったという。確実に球威が増した。

「MAXは別にして、アベレージは上がった感覚はあります。キャッチャーの方々からも『ボールがベース盤(の上)で強くなった』と言っていただけているので、バッターにとって嫌な真っすぐになってきたのかなって。実際、ファールでカウントを取ることもできているので、目指しているものに近づいている感覚はあります」

直球の質が上がれば、速スラが生きる。

 6月2日に行われた東北楽天ゴールデンイーグルスとの練習試合で先発した濱口は、MAX147kmのストレートを軸に攻め、3回1失点の好投を見せた。ラミレス監督からも「変化球とのコンビネーションも良く、ベストなピッチングだった」と高評価を受けている。

 フォームは昨年よりも体の左右の傾きが浅くなり、躍動感を持ちながらも、突っ込み過ぎることのないスムーズな動作に変化した。それにより、制球も安定していた。

 ラミレス監督も言及しているように、ストレートの質が上がれば、変化球も生きるようになる。濱口の代名詞である120km台前半のチェンジアップはもちろんのこと、スラッター(濱口は“速スラ”と呼ぶ)でも楽天打線を翻弄した。

 今や130km台後半の速スラは濵口にとって大きな武器である。一昨年から習得に取り組むと、昨シーズンはカウントやゴロを奪う際に重用された。その証拠に一昨年.258だった被安打率は、昨年は.199と向上しており、特に速スラが効果的な左打者に対しては被安打率.174(一昨年は.281)と成果を実感している。

 ただし濵口は、速スラに頼り過ぎるのも危険だと認識している。

【次ページ】 再びフォークを使う意図。

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