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新型コロナ禍に揺れたBリーグ。
三密競技の出口戦略を考える。

posted2020/06/04 11:30

 
新型コロナ禍に揺れたBリーグ。三密競技の出口戦略を考える。<Number Web> photograph by B.LEAGUE

約2週間ぶりに再開となった3月14日の千葉vs.宇都宮の試合は、無観客で行われた。

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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B.LEAGUE

 2016年に開幕して以来、Bリーグは最大の試練を迎えた。

 2月頃から日本でも新型コロナウイルスが徐々に感染拡大するなか、リーグ戦が終盤に差し掛かろうとしていたBリーグは矢継ぎ早の意思決定を強いられてきた。

 競技運営グループのマネージャーとして行動指針やスケジュールのたたき台を作り、連絡や交渉などの実務を担っている数野真吾はこの4カ月をこう振り返る。

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「どの情報が正しくて、どこを見なければならないのか、野球やサッカーなど他の競技のリーグや専門家会議などでどのような決断をしているかを把握しながら決めなければなりませんでした。情報はやや錯綜していたところはあると思いますが、誰を核として最終的に誰が意思決定をするのか、そのあたりは割とスムーズだったと思います」

 Bリーグでは月に一度開催されているリーグの最高意思決定機関である理事会に加え、B1、B2各クラブのトップが参加する実行委員会(全36クラブを毎回集めるのが難しいため、普段は8クラブで形成される「幹事会」も組み合わせながら開催)での情報の共有や意思疎通を図りながら、コロナ禍における試合履行に向け、都度、慎重に議論を重ねてきた。

「築き上げてきたものが吹き飛ぶくらいの影響が」

 Bリーグは感染防止対策を行いながらリーグを続行するのか、無観客試合、延期、あるいは全面的に中止するのか、様々な選択肢で揺れた。

 そんな中、2月24日に専門家会議から「この1~2週間が感染を抑えられるかどうかのヤマ場になる」との見解が発表された。

 さらにスポーツ庁からはスポーツ等のお客さんがたくさん集まるイベント、試合を中止、ないしは延期、無観客のような形で行うよう指示を受け、2月28日から3月11日にかけてのB1、B2計99試合を延期することを決断した。

 大河正明チェアマンは会見で、「シーズンも終盤に差し掛かっているので、(リーグ戦を)延期にするとポストシーズンの日程がタイトになります。しかしずっと無観客試合が続いた場合、3年以上(各クラブの)築き上げてきたものが吹き飛ぶくらいの影響が出てしまう。B1、B2の36クラブが1クラブも資金繰りの破綻を起こさず存続できること。それが最終的な私の判断目線です。全クラブが60試合のリーグ戦を無事に終了させる可能性がある道を選択した」と説明した。

【次ページ】 チーム間によって温度差があった当初の対応。

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