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ラクロス協会が3日で1000万円調達!
スポーツ団体の危機を救う方法とは? 

text by

杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byJapan Lacrosse Association

posted2020/05/29 07:00

ラクロス協会が3日で1000万円調達!スポーツ団体の危機を救う方法とは?<Number Web> photograph by Japan Lacrosse Association

大学生が主たるプレーヤーのラクロス界にとって、新勧の時期に新型コロナウイルスが蔓延したのは不運だった

「これはコストの問題だなと思いました」

 事前の打ち合わせで詰めるべきポイントは多い。

 まず資金調達の目的と目標金額の設定を実行者からヒアリング。プロジェクトの特性によるが、ラクロスの場合は支援者となるターゲットをOBとOGに定め、確実に情報を届けることに力を割いた。そして、どうすれば支援してもらえるかを考え、ページの見せ方なども工夫。最終的に資金を調達した後の道筋まではっきりと示した。

 ラクロス協会とのミーティングを数多く重ね、準備には約3週間かかっている。キュレーターの廣安ゆきみさんたちは、頭をひねり続けたという。

「今回は異例のケース。資金の使い道は広告出稿でした。なぜいま、ラクロスのPR費用が必要なのかを支援者に納得してもらわないといけません。そのためにまず人の心に訴えかける『ラクロスの未来をつなごう』というメッセージをつくり、これを前面に押し出していく形で進めました」

 日本ラクロス協会の理事を務め、最高戦略責任者である安西渉氏は、コロナ禍で全国の大学ラクロス部がオンラインで試行錯誤しながら新入生の勧誘をしている動きを見て、放っておけなかった。

「いい取り組みをしていましたが、接点がなければ情報は届きません。これはコストの問題だなと思いました。そこで協会がサポートし、ラクロスの魅力を伝えるようなSNS広告を打つことを決めたんです」

多様な業界から来た若い理事たちが活躍。

 日本ラクロス協会のスピーディーな意思決定には目を見張る。

 3月20日に大学生たちを支援するSNS広告を打つ構想を練ると、5日後には理事会に相談。承認を得る前に実行委員会をつくり、当事者である大学生を取り入れて準備に入った。その後、オンラインで理事会の承認を得て、約3週間後にはプロジェクトを実行したのだ。

 ラクロスは歴史が浅く、理事会の平均年齢は45歳。IT企業を経営し、マーケティングの知識を持つ理事の安西氏が行動力を発揮できるのも、しがらみがないからだろう。

「理事会は多種多様の業界の人たちが集まっています。詳細にリスクを洗い出して天秤にかけ、価値があることならすぐにやろうという感じでした」

【次ページ】 「“ラクロス人”の力を1つに」

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