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勝武士という力士を忘れない……。
新型コロナの話題だけではなく。 

text by

荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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photograph byKyodo News

posted2020/05/21 20:00

勝武士という力士を忘れない……。新型コロナの話題だけではなく。<Number Web> photograph by Kyodo News

2018年7月、岐阜県で開催された大相撲の巡業で「初っ切り」を努めた勝武士(左)。

江戸時代から続く初っ切りの名手として。

 こうした関取以下の若い衆の仕事の評価は勝負の“白黒”や数字だけでは決して計れないが、大相撲二千年の伝統は彼らによっても確実に支えられ貢献度も小さくない。

 江戸時代から続く初っ切りは巡業興行では欠かせない演目であり伝統芸のひとつ。歴代の初っ切り力士のなかでも勝武士は間違いなく名手の1人と言えるだろう。

 繰り返しになるが相撲界は厳然たる番付社会であるが、それが全てではない。

 力士は一枚でも番付を上げるために心血を注ぐ一方、各々に与えられた役目も務めている。

 わが国固有の伝統文化の担い手として真摯に相撲に打ち込んでいた若い力士の突然の逝去には、ただ言葉を失うばかりだ。ここに哀悼の意を表したい。合掌。

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