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MGCは日本マラソンの何を変えたか。
瀬古利彦が語る影響、箱根との関係。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2020/05/05 11:50

MGCは日本マラソンの何を変えたか。瀬古利彦が語る影響、箱根との関係。<Number Web> photograph by AFLO

MGCファイナルチャレンジ最後の名古屋ウィメンズマラソンでオリンピック行きを決めた一山麻緒。

若い選手には早くからマラソンを。

――名古屋の時に一山選手を絶賛していましたが、いま一番メダルに近い選手ですか。

「一山選手の能力は本当に高いと思いますよ。あの風雨の中で、2時間20分29秒だからね。もし普通の天気だったら1分半は縮めることができたと思う。これからシューズがフィットしてくるともっとタイムが伸びて、あと3分は縮められる。まだ22歳だし、ピークが27、28歳としてもまだ5年はあるから、次の五輪ではもっと強くなるでしょう」

――たしかに22歳は、従来のマラソンの年齢でいうとだいぶ若いですね。

「今はそのくらいでやってもいいし、やれるんですよ。だから若い選手には早くマラソンをやりなさいっていうんです。一山選手は相澤選手(晃・旭化成)と同じ22歳。強い選手が揃う、いわゆる相澤世代だからね(笑)」

――その「相澤世代」の相澤については。

「彼もいいね。一山選手の男子版ですよ。腰高で膝が高くて、きれいな走りをしているところがすごく似ている。しかも、2人とも厚底シューズが合っているので、これから練習していったらさらに強くなる。

 だから、相澤選手には早くマラソンをやってほしい。彼みたいな走りを詰めていった先に、2時間2分台、3分台はあると思う。これから日本のマラソン界のため、そして旭化成の救世主になるように頑張ってほしいね」

MGCはマラソンを応援してもらう入り口。

――スター選手が出てきて、次世代の選手たちも出てきました。瀬古さんが次に考えていることは、どんなことですか。

「MGCをやって、マラソンってこんなに面白いんですねっていう声をたくさんもらったんですよ。我々は自分たちの業界で自己満足するんじゃなく、みなさんに楽しんでもらって、マラソン選手になりたいなとか、そういう夢や影響を与えていかないといけない。

 MGCはそういう役割を果たせたと思うし、こういうのが4年に1回あってもいい。みなさんにマラソンを応援してもらう環境作りをして、これからもマラソンの味方をいっぱい作っていきたいですね」

 MGCでマラソンブームに火が付き、ランニング人気は活況だ。来年、東京五輪でメダルや入賞者が出ればさらに人気が出るだろうし、マラソンに移行するエリートランナーが増え、国民的なスポーツに進化していく可能性がある。日本スポーツ界におけるマラソンの復権。それも瀬古氏の狙いのひとつであるような気がする。

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