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興梠慎三の“お得意様”が特異な件。
仙台相手に20戦18発。では天敵は?
text by
斎藤純Jun Saito
photograph byGetty Images
posted2020/04/12 11:40
興梠慎三は2019シーズンも仙台戦でゴールを奪っている。J再開となった時、今季もお得意様に痛烈な一撃を見舞うのか。
「浦和の興梠」はあの相手にも強い。
「浦和の興梠」の特殊性は仙台相手だけにとどまらない。
通算24試合11得点の清水エスパルス戦、20試合7得点のアルビレックス新潟戦からも興味深いデータが見て取れる。
鹿島時代は清水戦で12試合1得点だったが、浦和加入後は12試合で10得点。ホームではハットトリックを達成した2015年を皮切りに、昨年まで4試合連続でゴールをマークしている。
同じく鹿島時代に11試合ノーゴールだった新潟戦も、浦和移籍後は9試合で7得点。新潟がJ1に在籍した2017年まで毎シーズンゴールを奪った。浦和が新潟に対して2007年から17勝5分け無敗と相性が良い点も加味する必要があるが、苦手を完全に払拭した。
また、湘南相手にも通算11試合6得点。浦和加入後は対戦した毎シーズン(2014年、2017年は湘南がJ2)得点を取っており、アウェーゲームでは2015年から毎試合得点中。今季のJ1第1節でもゴールを決めたことで、BMWスタジアムでの連続得点試合は5に伸びた。
鹿島時代から好相性をキープしているのは、通算11得点を挙げているFC東京戦だ。鹿島在籍時は2010年から、浦和加入後も2016年からそれぞれ3試合連続で得点を決めている。
鹿島では11試合5得点、浦和では13試合6得点とコンスタントにゴールを重ね、こちらも相性が良い部類に入るだろう。
では完全に封じ込めているのは?
一方で、相性の悪い相手は存在するのだろうか。ともに11試合で2ゴールの甲府戦、大分戦は、興梠の得点ペースからすると確かに低い数字にとどまっている。
ただそれ以上に、「浦和レッズの興梠慎三」を完全に封じ込めているチームが存在する。過去24試合3得点の横浜F・マリノスだ。
内訳は鹿島時代が12試合3得点。浦和では12試合に出場して得点がない。2ゴールを挙げた2010年10月24日を最後に、16試合ゴールから遠ざかっていることになる。
浦和加入後に興梠が得点を決めていない相手は、山形、長崎(ともに2試合)、そして横浜FM(12試合)。10試合以上の対戦に限定すれば次に少ないのが10試合で2得点のG大阪戦だけに、横浜FM戦の異常性が際立つ。