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コロナ戦時下での異様なにらみ合い。
無観客プロレスのこれからを考える。 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2020/03/31 20:00

コロナ戦時下での異様なにらみ合い。無観客プロレスのこれからを考える。<Number Web> photograph by Essei Hara

実に30分以上も続いた藤田和之と潮崎豪のにらみ合い。日本プロレス史に残るような、奇妙な試合となった。

あらゆるスポーツイベントが崩壊の危機に。

 コロナウイルスの猛威は留まることを知らない。東京ではロックダウンという名の都市封鎖も現実味のある話になっている。

 コロナウイルスによる死者が1万人を超えたイタリアや、約6500人のスペイン、約2300人のフランス。ミラノ、マドリード、パリのような大都市ばかりでなく、封鎖都市、外出禁止地域は増えて、その期間は延長を余儀なくされている。

 そんな世界の重大危機の中でプロレスでもないだろうというかもしれない。サッカーでもないだろう。野球でもないだろう、と。

 しかし、試合が全く行えないことはサッカーの潤沢な資金があると言われているクラブでさえ経営を圧迫している。リオネル・メッシらを擁するFCバルセロナやクリスティアーノ・ロナウドの所属するユベントスFCも選手の報酬の減額に踏み切るようだ。

 ドイツ・ブンデスリーガではこのまま試合を再開できなければ、20くらいのクラブが潰れるとも言われている。せめて、無観客試合でもいいから、試合をしないと欧州各国で大人気のサッカーでさえ崩壊の危機に直面しているのだ。

 今シーズンの欧州サッカーはリーグ戦を再開できずにこのまま打ち切りになってしまうことが濃厚だ。稼ぎ頭のチャンピオンズリーグでさえ優勝チームなしでシーズンを終えることになるかもしれない。

いまだに無観客試合も行わない新日本プロレス。

 オリンピックが延期になった日本だって同じだ。Jリーグだって、プロ野球だってそうだ。無観客ででも試合をスタートしなければ、裕福な球団しか生き残れない。

 プロレスだってそうだ。新日本プロレスは2月26日の沖縄での試合以来、1つも試合をしていない。そして、すでに4月11日の相模原までは中止を発表済みだ。そして、その先はいつから始められるかも不透明だ。

 コロナウイルスが確かにデリケートな課題であることは確かだが、「新日本プロレスワールド」という動画配信のサービスを持っているにも関わらず、いまだに無観客試合も行わないから不思議だ。

 全日本プロレスはできる範囲で無観客と通常開催を柔軟に使い分けてこの危機に対応していく姿勢を示している。

【次ページ】 ネット配信の後楽園ホール、そして野外や道場も。

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