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リングで“2.9次元”ミュージカル!?
マッスル坂井、「ご時世」と遊ぶ。

posted2020/04/03 20:00

 
リングで“2.9次元”ミュージカル!?マッスル坂井、「ご時世」と遊ぶ。<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

ミュージカルの最後にはカーテンコールも。写真左から、樋口和貞、今成夢人、竹下幸之介、納谷幸男。劇中歌はマッスル坂井と親交の深いRAM RIDERが製作するという本格的なもの。

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 DDT系のイベント『まっする2』が新木場1st RINGで開催されたのは、小池百合子都知事が新型コロナウイルスが「感染爆発の重大局面」にあると訴えた夜の緊急会見の翌日だった。3月26日である。

 DDTは業界でもいち早く、主催大会の中止と延期を発表していた。その上で20日から「新型コロナウイルス感染症対策本部の政府の方針である2週間の自粛要請期間を過ぎるため」(DDT公式サイト)、観客を入れての開催を再開していた。もちろん、検温や手指消毒、会場の換気など、できる限りの対策を講じてのことだ。

 そんな最中に、都知事の会見があった。『まっする2』にとっては昨日の今日どころか大会前夜のこと、いきなり「自粛」するわけにもいかなかった。完売していたチケットに若干のキャンセルもありつつ、大会は行なわれた(これ以降、DDTグループの“有観客”大会は再び自粛となった)。

『まっする』クリエイターのマッスル坂井(スーパー・ササダンゴ・マシン)は最初から「そもそも開催できるのか」、「開催できたとして何をやるべきなのか」を考えていた。今の世の中をどう受け止め、見に来てくれた観客に何を届けられるか。それは当然の責任であり悩みだった。

 あらためて説明すると、『まっする』は今年1月からスタートした“台本あり”のエンターテインメント系プロレスイベントだ。坂井が手がけてきた『マッスル』シリーズの番外編、スピンオフ的立ち位置になる。坂井と同世代の選手を中心とした『マッスル』に対し、『まっする』はDDTの若い選手が主役となる。ちなみに大会名は「ひらがなまっする」と読む。

大会前に始まった「5日後に負ける上野」

 1月に続いての第2回大会は、実質3月21日からスタートしていた。この日からツイッターに「5日後に負ける上野」という動画が連日アップされ始めたのだ。もちろん例のワニのパロディだが、プロレスで「あらかじめ勝ち負けが決まっている」ことをモチーフにするのは大胆だ。

 さすがだと思ったし、これは大会全体の予告だったのかもしれない。内容の予告であり(実際、試合で上野は負けた)、また“手法”の予告だ。その手法とは、簡単に言えば“リング外での仕掛け”である。

【次ページ】 プロレスの必殺技が擬人化されたミュージカル!?

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