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東京五輪、1年程度の延期決定……。
今、これだけは伝えておきたいこと。

posted2020/03/25 17:00

 
東京五輪、1年程度の延期決定……。今、これだけは伝えておきたいこと。<Number Web> photograph by YONHAP NEWS/AFLO

すくなくとも五輪開催中止にならなくて良かったとするべきか……。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 3月24日、東京五輪の延期が決まった。

 午後8時から安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、大会組織委員会の森喜朗会長、小池百合子都知事らも同席の上、電話会談を実施。おおむね1年程度を目安に、延期することで合意に至った。

 新型コロナウィルスの感染拡大を受け、予定通り今夏に開催するのか、延期するのか、中止となるのか関心を集め、議論が続いてきた。延期をとるなら年内なのか、1年後あるいは2年後か、時期を巡る意見も飛び交った。

 当初、予定通り開催する姿勢を貫いていたIOC、組織委員会等だったが、感染の広がりとともに各国の競技団体や代表選手から上がる声、意思表明には抗えなかった。

 連日伝えられる世界各国の状況を考えれば、不参加国を出すことなく、予定通り行うことが不可能であるのは明らかだった。

 練習する環境を失った選手、感染して苦しんでいる選手――そもそも五輪代表を決定するはずの多くの国際大会が、幾度もの延期や中止を余儀なくされていたのだ。

 社会全体の安全・健康が失われていることを考えてもそのままの開催には無理があった。結局のところ、平和があってのスポーツであるからだ。

 中止という選択肢も考えられた。その中での延期は一定の評価を得られる結論だっただろう。

これから膨大な変更作業が待ち構えているが……。

 五輪史上初の延期という事態であり、昔の五輪大会と比べても信じられないほど大きく膨れ上がった規模のイベントだ。課題はとてつもなく多い。競技会場の確保の問題、チケットの扱いの検討……やり直さなければいけない問題は膨大である。

 また、ウイルスの世界的広がりが、参加各国レベルでおさまっているのかも影響してくる。決して予断は許さない状況が、今現在も進行形で続いているのである。

 そして何よりも選手たちにとってこそ……影響は計り知れないほど大きい。

【次ページ】 集中が途切れてしまってもおかしくない異常事態。

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