酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
プロ野球最強投手を番付にすると。
岩瀬仁紀が関脇、現役最上位は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/03/23 11:40
現役時代、前人未到の1000試合登板を成し遂げた岩瀬仁紀。救援ひと筋で球史に残した成績は偉大なものだ。
宮西、藤川ら名リリーフが入幕。
平幕を見渡すと左腕、右腕ともに現役の救援投手が「入幕」している。ホールド数史上最多の日本ハム宮西尚生(203ポイント)と、40歳になる今年、名球会入りとなる250セーブを目指す阪神、藤川球児(260.5ポイント)だ。
勝利数に加えてセーブ、ホールドを加味した評価をすることで、2人はすでに歴史的な投手になったと言える。なお十両以下でも救援投手がかなり上位に来ている。これは近年、先発投手の勝利数が減少傾向にあるのと対照的なところだろう。
平成、令和時代の投手と昭和時代の投手を並列で評価するには、勝利数+(<セーブ数+ホールド数>×0.5)はまずまず妥当性があるのではないか。
昔の“セーブ数”は意外と少ない?
読者の中には「NPBではセーブは1974年から、ホールドは2005年から導入された。でもそれ以前の投手でも、今の基準に当てはめれば結構すごい数字になるんじゃないか?」と思われるかもしれない。
ただ調べてみると、意外にそうでもないのだ。セーブ、ホールドには厳格なルールがある。今の指導者は、投手にセーブやホールドを記録させるために、そのルールにのっとった起用をしている。
そのルールがなかった時代には、当然ながらセーブ、ホールドの条件に関係なく投手を起用する。そのために、のちの基準に照らしてセーブやホールドが付くケースは意外に少ないのだ。
研究者の調査によれば、セーブ制導入前のシーズン最多セーブは1965年、巨人宮田征典の22、通算では金田正一の96だ(ホールドは未調査)。それほど大きな数字にはならない。