バスケットボールPRESSBACK NUMBER
YouTubeチャンネルから“革命”を。
Bリーグ川崎が抱く大いなる野望。
posted2020/03/16 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
KAWASAKI BRAVE THUNDERS
「選手ではなく、ボールを走らせろ。ボールは、疲れない!」
語ったのはサッカー界の革命家ヨハン・クライフである。
川崎ブレイブサンダースはリーグで最多のアシスト数を誇る(3月13日時点)から、最も効率よくボールを走らせているチームとも言えるが、ここで触れるのは全く別のテーマだ。コートの外での話である。
ADVERTISEMENT
いくら働いても労働基準法に違反せず、体調不良やケガによる活動休止のリスクもない労働力を、川崎は作り出した。
それが、クラブのYouTube公式チャンネルにアップされた動画の数々である。デジタルの時代に作られた動画はいくら再生されても、疲れないし、すり減らない。
奇しくも、新型コロナウィルスの蔓延防止に伴うリーグの中断期間でも、その存在感は際立っていた。
Bリーグで最大のチャンネル登録者数を誇る。
昨年8月3日にアップした動画で、キャプテンの篠山竜青と、弟分の青木保憲が、YouTubeチャンネルの大幅なリニューアルを宣言した。当初の目標は2019年のうちに登録者数3万人を超え、2019−20シーズンの間にBリーグの全クラブのなかでYouTubeチャンネルの最多登録者数を達成するというもの。
その時点でチャンネル登録者数は4000人も満たず、それまでは試合日のイベント等の告知と選手の紹介動画が不定期でアップされるだけだったチャンネル。それが大きく変貌をとげていった。
リニューアル宣言からおよそ1カ月で1万人を超えた登録者数は、年内で3万人のハードルをクリア。今では4万3300人を超え、千葉ジェッツを上回って、Bリーグのクラブの中で最大のチャンネル登録者数を誇るまでに成長した(本記事内で出てくる再生回数等はすべて3月11日の朝6時の時点でのもの)。
YouTubeチャンネルを制作する際の工夫や意図はどこにあるのか。そして、YouTube強化戦略の先にみすえるスポーツ界の革命とは――。