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C・ロナウド「このトリオはいける」
ユーベの最終兵器ディグアルドとは。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2020/02/05 07:00

C・ロナウド「このトリオはいける」ユーベの最終兵器ディグアルドとは。<Number Web> photograph by Getty Images

16節ウディネーゼ戦で初めて同時に先発した“ディグアルド”。ゲームの世界にいるような強力トリオがCLを席巻する日は近い?

セリエAに継がれるトリオの系譜。

 夢のトリオには系譜がある。

 強力な3人のFWを同時に起用したら、さぞ多くのゴールを奪ってくれるだろう。このアイデアに古今東西あらゆる会長や指導者が夢を抱き、とり憑かれてきた。

 セリエAの歴史を振り返っても、実際に夢のトリオがいくつも誕生してきた。

 1970年代のユベントスを率いた名監督トラパットーニは、「ベッテガ&ボニンセーニャ&カウジオ」の爆撃機トリオを擁して、'77年のUEFAカップを制した。名将はさらにバロンドール合計4個の「プラティニ&ロッシ&ボニエク」の3人組を編成、あらゆる国際タイトルを総なめにした。

 '90年代に入ると名将リッピが「ラバネッリ&ビアリ&バッジョ」、人呼んで“マッスル&ファンタジー・トリオ”をピッチに送り出す。バッジョの後釜デル・ピエロを新メンバーとするトリオは、'96年のCL制覇の原動力になった。

 '80年代後半のセリエAを席巻したナポリのマラドーナ、ジョルダーノ、カレカの個性派3人の頭文字をとった“マジカ(魔法の)トリオ”を思い出す読者も多いのではないか。

新しい哲学を持ち込んだサッリ。

「FWトリオ」とは、必ずしもセンターFWを2枚のサイドアタッカーが挟むクラシックな3トップのみを意図していない。

 どの国よりも堅守に価値を見出すイタリア流に言えば、そもそも守備の人間を減らしてFWを3人も入れる時点で“掟破り”だ。

 だから、2トップにもう1人アタッカーを加えるという発想自体が、型にとらわれないサッカーへの自由な考えを意味している。

 今季から王者のベンチを託されたサッリは、まさにその新しい哲学を注入しようとしているのだ。

 シーズンの半分を折り返した指揮官は、会見の席で「まだ道半ばだ」と飄々と答えた。もちろん、放送禁止用語つきで。

「(上流クラブである)ユーベに来て、わしが変わったかって? うちの女房殿にしてみれば何も変わらない、チン●頭の頑固者のままだよ」

【次ページ】 「3人と一緒にプレーするのは楽しい」

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