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松田瑞生「これでダメならやめよう」
大阪国際を制した目標設定と猛練習。
posted2020/01/27 11:50
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
KYODO
強さを見せつけたレースだった。
1月26日、開催された大阪国際女子マラソンで、松田瑞生は、持ち味を存分に発揮し、優勝を果たした。
東京五輪代表選考対象レースだった。
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昨年9月の五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)ですでに2人は決定。
残り1枠に選ばれる条件は、大阪そして3月の名古屋ウィメンズマラソンのいずれかの大会で、設定記録2時間22分22秒を突破すること、突破者が複数名の場合は記録が最上位の選手と定められている。
もし、突破者が出なければ、MGC3位の小原怜が選ばれることになっていた。
小原以外の選手は、まず何がなんでも2時間22分22秒はクリアしなければいけない。
記録を出すためのお膳立て。
記録を出すためのお膳立ても整っていた。
海外招待選手には2時間20分、21分台を持つ選手4名が含まれていた。
ペースメーカーには、今月のハーフマラソンで日本新記録を出した新谷仁美らを配置。
レース当日、スタートする時点の気象条件も、晴れ、気温10.2度、湿度62%と恵まれる。速いペースが予想される中でスタートしたレースは、予想以上のスピードで進んだ。
17キロ過ぎ、自力で五輪切符をつかむために出場した小原が先頭集団から遅れる。
さらに集団の後方につけていたリオデジャネイロ五輪代表の福士加代子も20キロ手前で遅れ始め、25キロ過ぎあたりで棄権。
有力選手たちが消えていく中、光ったのは松田だった。ペースメーカーのすぐ後ろ、ときには前に出る走りは自ら牽引するようだった。