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若返る長谷部誠、宮市亮は右SBに。
ブンデス日本人・前半戦通信簿。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2020/01/13 11:50

若返る長谷部誠、宮市亮は右SBに。ブンデス日本人・前半戦通信簿。<Number Web> photograph by Getty Images

負傷続きで苦しんだ宮市亮だが、ザンクトパウリで充実のシーズンを送っている。

原口はボランチで新境地開拓か。

 ブンデスリーガ2部では、原口元気、宮市亮、遠藤航の3人がプレーしています。

 今季2部に降格したハノーファーはシーズン途中にミルコ・スロムカ監督が解任され、現在はケナン・コチャク監督が率いています。コチャク監督は原口を新たなる境地へと導く指揮官ではないかと、密かに期待しています。

 原口が指揮官から任されている役割は4-2-3-1のトップ下、もしくはダブルボランチの一角と、ピッチ中央でのポジションです。浦和レッズ時代の原口を知る者としては「元気がボランチ?」と首を捻ってしまうのですが、そういえばかつて、「原口にはボランチの適性がある」と言った指導者がいたのを思い出しました。

 その人物は、元日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ。当時は原口自身もその言葉に「どうなんだろう?」といった表情を浮かべていましたが、今はポジティブに「俺、真ん中(のポジション)でイケるかも!」と思っているかもしれません。

 12月7日のブンデスリーガ2部16節アウエとの一戦は、後半アディショナルタイムに相手ゴール前へ飛び込んだ原口が決勝ゴールを奪って劇的な勝利を挙げたのですが、このときの彼は一目散にゴール前のサポーターの元へ向かって胸のエンブレムを叩き、その感情を焚きつけるように大声で吠えていました。

 ヘルタ・ベルリン、デュッセルドルフ、そして昨季から所属するハノーファーと、ドイツに渡って3クラブでプレーしている原口ですが、そのプレーはどこかよそ行きで他人行儀な印象がありました。

 でも彼の真骨頂、最大の魅力はやはり一途で情熱的な所作にあると思います。とりわけ「チームのために。クラブのために」という姿勢が露わになったとき、その力は数倍にも跳ね上がる。

 ハノーファーは現在13位ですが、1部昇格圏の2位ハンブルガーSVとは勝ち点10差で、じわじわと上昇する気配です。1部返り咲きの可能性が十分残されているなか、僕は原口元気の爆発に期待しています。

宮市は右サイドバックの主力に。

 宮市が所属するザンクト・パウリは、現在ハノーファーと同勝ち点の11位。昨季終盤からはヨス・ルフカイ監督がチームを率いていますが、成績はいまいち。

 とはいえ、かつてアウクスブルクやヘルタなどで細貝萌をレギュラーに抜擢したルフカイ監督は宮市を右サイドバックの主力に据えています。その宮市も度重なる負傷から復活し、2011年にアーセナル(イングランド)でプロサッカー人生をスタートさせてから初めてチームの中軸を担う、その意義ある立場に充実感を覚えているようです。

 宮市は長い海外生活のなかで英語などを身につけており、監督、コーチ、チームメイトなどとのコミュニケーションは一切問題ありません。また、普段の宮市はとても礼儀正しい人物で、僕らが取材に訪れると「わざわざこんな遠くまで来てくださって本当にありがとうございます」と丁寧に頭を下げてくれます。

 こんな律儀で謙虚な青年を応援しないわけにはいきません! 努めて冷静に、客観的に文章を綴る表向きの所作をしながら、僕は心のなかでいつも彼の成功を祈っています。

【次ページ】 遠藤航は着々と連続スタメン出場。

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