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若返る長谷部誠、宮市亮は右SBに。
ブンデス日本人・前半戦通信簿。
posted2020/01/13 11:50
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
ドイツ・ブンデスリーガは現在ウィンターブレイク中です。各クラブはオフ期間を挟み、短期キャンプなどを実施して来たるべき再開後のシーズンに向けて準備を重ねています。
僕の住むドイツ・フランクフルトは本格的な冬の季節が到来しました。空にはどんよりとした鉛色の雲が広がり、朝10時くらいには空が白み始めますが、夕方4時くらいには漆黒の宵闇が訪れます。
クリスマスシーズンが終わった市内中心部は静寂に包まれていて、道行く人々の姿もまばらです。でも、ドイツの人々は冬の楽しみ方を十分承知していて、室内で家族や友だちとパーティを催したり、街のレストランやバーで美味しい食事に舌鼓を打ったりしています。
そしてドイツ語で「フッスバル(Fussball)」、すなわちサッカーのシーズンはまさに今、佳境を迎えようとしています。
CLやELなどの国際カップ戦ではノックアウトステージのトーナメントが始まり、国内最高タイトルであるブンデスリーガはヘルプストマイスター(秋の王者、前半戦首位)のRBライプツィヒをボルシアMG、バイエルン、ドルトムント、シャルケなどが追走する状況で、ドイツ国内のサッカーシーンには活気が感じられます。
フランクフルトが過ごす苦悩の時。
そんななか、日本人選手は過酷な戦いを強いられています。
彼らは今、それぞれのクラブ、そして暮らす街でどんな日々を過ごしているのか。今季、僕が取材してきたなかでの印象的なシーンを切り取りながら、彼らの辿った軌跡と今後の道筋を綴ってみたいと思います。
フランクフルトの長谷部誠と鎌田大地は今季開幕直後からEL、リーガ、DFBポカールの各大会を戦う過密日程のなか激闘を繰り広げてきました。しかしウィンターブレイク前にチームの調子が急降下して勝ち星を得られず、苦悩の時期を過ごしました。
アイントラハトのファン・サポーターは総じて熱狂的でチームへの献身性も高い印象を受けます。そんな彼らも12月に入ってからは味方選手のミスやチャンスを逸すると深い溜め息をついたり、ときには激しいブーイングを浴びせたりするなど感情的な態度を表すようになってきました。
ホームチームの状態が悪いときのスタジアムの雰囲気はなんだか不穏で、その濁った空気はピッチ上にも降り注いでいるような気がします。