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松井裕樹の先発転向はどうなる?
リリーフからの成功例は少ないが。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2020/01/03 11:30

松井裕樹の先発転向はどうなる?リリーフからの成功例は少ないが。<Number Web> photograph by Kyodo News

松井裕樹は切れ味鋭いスライダーと伸びのある直球で小気味よく三振を奪っていく。その姿を初回から見られるのを楽しみにしたい。

先発になった過去の名クローザーは?

 過去の例を紐解けば、救援専門から先発に転向して長く成功した例はそれほど多くない。

 古くは1998年、通算139セーブを上げ、3年連続最多セーブも記録していた近鉄の赤堀元之が28歳で先発に転向した。しかし翌年にトミージョン手術を受けたこともあり、以後の勝ち星は7年間で7勝にとどまった。

 巨人の上原浩治はエースとして沢村賞2度と活躍したが、2007年にクローザーに転向、4勝3敗32セーブを記録。しかし2008年のシーズン途中で再び先発へ復帰し、6勝を上げた。その後、MLBに挑戦した。

 このほどMLBブルージェイズへの移籍が決まった巨人、山口俊はDeNA入団4年目のシーズン終盤からクローザーとなり、8年間で17勝28敗111セーブを挙げたが、2014年5月に先発に再転向。2017年巨人にFA移籍後も先発で活躍し、今季は最多勝を上げた。

藤川、増井も一度は転向したが。

 NPBを代表する救援投手のひとり、藤川球児はMLBから復帰した2016年に先発転向した。藤川は前年夏に帰国し、独立リーグ四国の高知で短期間プレーしたが、このときに先発して完封を記録。レベルの差はあるにせよ、自信を回復して先発転向を表明。しかし先発では1勝2敗、防御率6.12と結果が出ず、わずか5試合で救援に戻った。

 日本ハム時代の増井浩俊は同じ2016年、救援で不振が続き二軍落ち。復帰した8月4日に先発に転向。2試合連続完投(うち1試合は完封)勝利を上げるなど目の覚めるような結果を残したが、翌年は再びクローザーに戻った。

 松井の転向について、おそらく2018年セットアッパーとして実質デビューしたオリックスの山本由伸が今季先発に転向し、8勝ながら最優秀防御率1位のタイトルを取ったことが影響しているだろう。

 ただこうして見ると、はっきりした成功例は山口俊くらいだ。上原のMLBでの大活躍や、藤川の不惑近くなってからの尻上がりの好調ぶりは、異なるポジションを経験して投球の奥行きを広げたことが一因ではないかと思う。

【次ページ】 大型契約を満了しても松井は29歳。

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