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過去16年でラグビー部員は3割減。
W杯フィーバーはどこまで効くか。
text by
八木葱Negi Yagi
photograph byGetty Images
posted2019/12/23 18:00
日本開催のラグビーW杯は文字通り全国中が盛り上がった。だからこそ今、競技の草の根の部分についてしっかりと考えたい。
夢ではなく現実的な目標設定を。
そこでラグビー界に真っ先に期待するのは、目標の設定である。
どの程度の競技人口、どの程度の観戦人口を目指して、どういうエコシステムでラグビーという競技を未来に繋いでいくのか。
あくまでもサッカーと戦って1番人気の競技になりたいのか、フィギュアスケートのように競技人口は少なくとも多くの観客を惹きつける形へ進むのか。
夢物語ではない、現実的な目標設定が必要だ。
繰り返すが、ラグビー界がいま対峙しているのは大チャンスではない。露悪的に言えば、20年以上後退し続けた後にジャパンが2つのW杯で成功を収めただけで、縮小トレンドが反転したと断言できる要素はまだない。
もちろん2020年のラグビー部員は確実に増えるだろう。1000人、2000人という単位で増えても全く驚かない。ジャパンはそれだけのことを成し遂げたし、W杯は大成功だった。
しかしたとえ2000人増えたとしても、2003年から減った1万人の2割でしかない。競技人気拡大のための長い戦いは今がスタートラインであることを念頭に置いて、まずは2020年の数字を注視したい。