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「野球の日本代表」が定着してきた。
プレミア12で感じた成熟と真剣勝負。 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2019/11/21 20:30

「野球の日本代表」が定着してきた。プレミア12で感じた成熟と真剣勝負。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

観客が少ないと言われたプレミア12も、日本対韓国の決勝戦は超満員。野球の代表を取り巻く雰囲気もずいぶん変わった。

代表を応援する空気が広がってきた?

 試合も序盤から互いにホームランで点を取り合う白熱の展開で、最後は侍ジャパンが5-3で競り勝ち、プロが参加する主要国際大会では'09年WBC以来10年ぶりの世界一。関東のテレビ視聴率は平均18.8%、瞬間最高視聴率は29.6%を記録した。

 決勝は3400円のお手頃チケットで(もうバレていると思うがCSと日本シリーズを全試合観戦したためサイフ死亡遊戯中である)東京ドームの一塁側2階席から観たが、日本の野球ファンにおける「代表文化の成熟」を感じた。

 あくまで個人的な感想だが、2010年代前半あたりまで代表戦を球場観戦していると、まだ普段の贔屓チームの選手を集中的に応援するみたいな空気が確かにあった。

球団の贔屓、嫌いはいったん置いて。

 自分は巨人ファンなので、内野席で周囲のあらゆるチームのレプリカユニを着た観客の会話が聞こえてくると、その言葉の端々から、やっぱり巨人選手(というか球団そのもの)は他ファンからよく思われていないんだなと感じることも多々あった。

 それが、いつからか代表戦のスタンドでは日常のペナントと侍ジャパンは別物で「それはそれ、これはこれ」という認識が強くなってきたように思う。

 外野席だけでなく、内野席もみんなで山田哲人の逆転3ランにガッツポーズをかまし、大会MVPに輝いた4番鈴木誠也が打席に入ると全員で「頼んだぞ」なんつって力の限り拍手を送る。

 先発・山口俊の炎上にともに腹を立て……じゃなくて坂本勇人のフェンス直撃二塁打には「いった!」なんて観客は総立ちだ。

 人それぞれ食べ物に好き嫌いがあるように、贔屓チームもあれば嫌いな球団もあるだろう。でも今夜ばかりは、それそれ、これはこれ。ハイ熱男~。そんな東京ドームの雰囲気は心地良かった。

【次ページ】 秋山の姿が、ガチさを伝えていた。

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