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ブレックスの“叩き上げ”モデル。
人気の持続には地域貢献活動が必須。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byB.LEAGUE
posted2019/11/15 08:00
10月19・20日の第4節の試合後には、ブレックスの選手たち自ら観客を見送りながら募金活動を行い、台風19号の被災地支援を呼び掛けた。
ウィークデーでも9割以上の集客率。
11月1日金曜日、アルバルク東京を迎えたホームゲーム。
「ブレックスアリーナ」は熱気に包まれていた。ウィークデーながら集まった観客は4365人。立ち見を含めて4700人強の集客が可能というから、この日も9割以上が埋まっていた。
お客さんは子どもたちから年配の方までまさに老若男女。地域貢献がどう入場促進につながっているのか、チームの広報、プロモーションを手掛ける小野順一さんに話を伺った。
——ブレックスのファン層は、本当に幅広いなって感じますね。
「これはエリア(地域)の特徴と言えるとも感じています。子どもさんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、どの世代にも楽しんでいただけるようにと思っています。ただ世代的に多いのは30代、40代です。ブレックスができた当初から応援していただいて、結婚して子どもと一緒に応援してくださっているファンの方もいますので」
年齢別にアプローチは変わる。
——年配の方にはどのようなアプローチをしているのでしょうか?
「たとえば宇都宮市の企画で65歳以上を対象にした『いきいき健康バスケットボール教室』というのがありまして、ブレックスも協力させてもらっています。
選手と一緒にボールを使った軽い運動をしたり、(専属チアリーディングチームの)BREXY(ブレクシー)と一緒に体操をしてもらったりしているんですが、特典でついていた試合の観戦チケットをきっかけにコンスタントに来ていただけるようになったファンの方もいます。またスポンサーさんに協賛いただいて『シニア優待デー』として招待の企画があったときも、同じようにリピーターになっていただいたり……」
——子どもたちへのアプローチも熱心ですよね。幼稚園・保育園にはマスコットのブレッキーとBREXYが訪問してダンスを教えています。小学校には選手やBREXYが訪問して競技体験の「キッズモチベーションプロジェクト」を展開しています。
「この前も幼稚園の子どもさんがBREXYの踊りに一生懸命取り組んでくれて、本当にうれしかったですね。幼稚園、保育園の子どもたちにはマスコットとBREXYが喜ばれるし、小学生以上は選手とふれあえる機会が喜ばれる。お父さん世代なら小さいときに野球選手に直接教えてもらうような感覚ですよね。一生忘れられない思い出になるし、ブレックスというチームへの愛着が湧いてもらえたら嬉しいなと思うんです」