フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
宇野昌磨、フランス杯8位で涙。
「やはりコーチがいた方がいいのか」
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byJoosep Martinson - ISU/Getty Images
posted2019/11/05 11:30
フランス杯で、ファイナルを含むシニアでのグランプリシリーズ13戦目で初めて表彰台を逃した宇野。
気持ちは前向きだったが……。
昨シーズンの世界選手権で4位に終わり、6月に宇野は15年間師事した山田満知子コーチ、樋口美穂子コーチの元を離れることを宣言した。だがその後、次のコーチが決まらずに今シーズンはコーチ不在のままで競技に挑むことが発表された。
今シーズン初戦のフィンランディア杯では優勝はしたものの、自己ベストとは程遠い内容とスコアだった。
そこから調整して挑んだはずのこの大会だったが、シニアに上がってからここまで崩れた宇野を見たことがない、という演技だった。
だが本人は、決して悪いことばかりではないと感じている。
「もしかしたら、(フリー前は)気持ちの状態も良かったので、いい演技ができるんじゃないかなって少し思う部分もあったんですけど。やはり、僕のあれだけ失敗した原因は1つ目のアクセル。あそこが失敗してしまったところが、崩れてしまった原因の1つかなと思う。
でも、あそこを失敗しても僕は諦めなかったですし、いつもだったら(3回転)サルコウ&トリプルトウを絶対にやらなかった中で、ちゃんとやったところとかは気持ち的には前を向いていたなと思うんですけど。やはり、かなり多くミスしてしまったところが、次はしないようにしないといけないなと思っているところです」
ジャンプの軸やタイミングが崩れてきた。
日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化部長は、フィンランディア杯からここに来るまでにジャンプの軸やタイミングがさらに崩れてきていることを指摘する。
「1日でも早く、コーチがついて細かい微調整がやっぱり必要なんだなというのは改めて思ったし、本人も思ったと思います」と懸念を示す。