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宇野昌磨、フランス杯8位で涙。
「やはりコーチがいた方がいいのか」 

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byJoosep Martinson - ISU/Getty Images

posted2019/11/05 11:30

宇野昌磨、フランス杯8位で涙。「やはりコーチがいた方がいいのか」<Number Web> photograph by Joosep Martinson - ISU/Getty Images

フランス杯で、ファイナルを含むシニアでのグランプリシリーズ13戦目で初めて表彰台を逃した宇野。

フリー演技の後に見せた涙。

 翌日のフリーでも、さらに不調は続いてしまった。

 今季のフリーは『Dancing On My Own』などの音楽を使ったデイビッド・ウィルソン振付の作品である。

 冒頭の4サルコウは回転不足で両手をつき、次の4フリップは回転が承認されたもののやはり両手をついた。

 その後4+2トウループは成功させて持ち直したかのように見えたが、3アクセルではSPと同じような転び方をしてしまった。結局3度転倒し、クリーンに降りたのは4+2トウループと、3サルコウ+3トウループのみ。

 フリー136.79、総合215.84で8位になり、シニアに上がってから初めてGP大会でメダルを逃した。

 たった1人でキス&クライに座って点数を待つ間、宇野を励ます歓声が続く中で、宇野は両手で顔を覆って涙をぬぐった。

「言葉では表現できない涙が」

「自分がもし1人で演技して歓声が何もなかったら、決して泣くことはなかったと思うんですけど。本当にあのような演技をして、それでも、歓声をたくさんおくっていただいたことに、嬉しさと、なんか言葉では表現できない涙が出てきました」

 演技後、宇野はそう自分の気持ちを表現した。単なる悔し涙ではない。不本意な演技をしてしまっても、無条件でサポートを続けてくれた観客に対する感謝の涙だった。

「いつもだったら、(応援してくれた観客に対して)本当にすみませんとか申し訳ないっていう気持ちが出てくるんですけど、それより、ありがとうございますと。僕は本当に伝えたいです」

【次ページ】 気持ちは前向きだったが……。

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