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大隈重信とアメリカ大統領と始球式。
あの「空振り」は日本で始まった? 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2019/10/31 19:00

大隈重信とアメリカ大統領と始球式。あの「空振り」は日本で始まった?<Number Web> photograph by AFLO

2019年には錦織圭がカブス対カージナルス戦の始球式に登場したことも。

日本で始球式をした米大統領は2人。

 国家の首長による始球式発祥の地が日本だったという事実には驚かされるが、それが明治維新時に活躍した大隈重信だったとは思いもしなかった。そして、その日本で新旧の米大統領経験者が過去に2度、始球式を行っているという事実にも、今となっては驚かされる。

 最初は1989年の日本シリーズ第3戦、近鉄バファローズ対読売ジャイアンツの試合前に始球式を行ったロナルド・レーガン第40代大統領。

 2度目は2009年の日本シリーズ第3戦、北海道日本ハムファイターズ対読売ジャイアンツの試合前に始球式を行ったジョージ・W・ブッシュ第43代大統領だ。

 ちなみにブッシュ元大統領は、レンジャーズのかつての共同オーナーの1人であり、政界屈指の野球ファンで知られている。現役の大統領だった時だけではなく、退任後にも何度か始球式を行っている。

 その内の1つは大学の全米チャンピオンを決めるカレッジ・ワールドシリーズで、東部の名門イェール大学時代に野球部の主将を務め、第1回と第2回の同大会に左投げの一塁手として出場した父ジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領に敬意を表する意味合いもあったそうだ。

大統領の親子2代リレー始球式も。

 もちろん、父ブッシュ大統領も息子以上に野球への情熱があった人で、始球式を何度か行っただけではなく、退任後は地元アストロズの公式戦やフロリダ州のオープン戦にも出向いて、弱かった頃のチームを応援する「野球愛」があった。

 それは体調を崩した後も変わらず、2017年にアストロズが地元ミニッツメイド・パークでワールドシリーズを戦った際には、車椅子に乗った父が息子に始球式の球を渡す、大統領親子2代のリレー始球式が行われた。

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