第96回箱根駅伝(2020)BACK NUMBER

箱根駅伝予選会で感じた“新時代”の幕開け。
各校の歓喜と落胆に見た、新たな勢力図。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2019/10/31 11:00

箱根駅伝予選会で感じた“新時代”の幕開け。各校の歓喜と落胆に見た、新たな勢力図。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

10月下旬とは思えない高い気温が予選会に波乱を生んだ。

麗澤大学は2年連続の次点。

 その一方で、平成の箱根駅伝を彩ってきた上武大学は13位、城西大学は14位、山梨学院大学が17位、大東文化大学が18位と、そろって出場権を逃してしまったのは衝撃的だった。

 各大学が強化に本腰を入れている中で、必死に出場権を守ってきたが、上武大は11回、山梨学大は33回で連続出場記録が途切れた。山梨学大の飯島理彰駅伝監督は、

「練習はきちっとやってきました。正直、結果を楽しみにしていた面もあったんです。それが、この結果では……」

 あとは、言葉が続かなかった。

 そしてまた、11位の麗澤大学、12位の駿河台大学には次回以降に期待を抱かせる結果となった。

 特に麗澤大は2年連続の次点。これほど、悔しい結果はないだろう。しかし、チームトップである宮田僚(4年)のタイムは1時間4分57秒で、10位の山本蒼弥(2年)は1時間6分41秒。10位までのタイム差が2分以内に収まっているのは上位10校では神奈川大だけで、この事例ひとつとってみても麗澤大が普段から全体で質の高い練習をしていることがうかがえる。

 おそらく、数年のうちに箱根駅伝を走ることになるのではないか。

 今回の箱根駅伝予選会は、東国大、麗澤大をはじめとした近年めきめきと力をつけてきた大学の台頭が目立ち、古豪が厳しい現実を突きつけられたことになる。

 毎年のことだが、予選会では歓喜もあれば、落胆もある。

 その感情の揺れは選手たちをきっと強くする。

 2020年の第96回箱根駅伝には、どんな筋書きが待っているだろうか。

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