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2009年ドラフトの今を検証<巨人編>。
日本一に直結した長野久義の獲得。

posted2019/10/04 18:00

 
2009年ドラフトの今を検証<巨人編>。日本一に直結した長野久義の獲得。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2012年の日本一にも貢献した長野久義(右)。ルーキーイヤーから中心選手として活躍した。

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph by

Hideki Sugiyama

 いよいよ今年も「プロ野球ドラフト会議」の季節がやってきました。NumberWebでは、昨年も好評だった全12球団の10年前のドラフトを振り返って現在の戦力を検証する短期集中連載を企画しました。ジャーナリスト・小関順二氏による分析のもと、ドラフトの歴史を振り返ってみましょう。

 第1回はセ・リーグを5年ぶりに制し、日本一を虎視眈々と狙う読売ジャイアンツです!

<2009年ドラフト>
1位 長野久義/外野手/Honda
2位 鬼屋敷正人/捕手/近大高専
3位 土本恭平/投手/JR東海
4位 市川友也/捕手/鷺宮製作所
5位 小野淳平/投手/日本文理大
―育成―
1位 星野真澄/投手/BCリーグ信濃
2位 河野元貴/捕手/九州国際大付高
4位 大立恭平/投手/岡山商大
5位 神田直輝/投手/群馬大教育学部
※育成3位の陽川尚将(現・阪神)は入団拒否。

 巨人入りを熱望し、2006年の大学生&社会人ドラフト4巡目(日本ハム)、2008年の2位(ロッテ)を拒否した長野久義を単独で1位入札した。

 当時、巨人は高校生ドラフトで'06年1巡で坂本勇人(内野手・光星学院高)、'07年1巡で藤村大介(内野手・熊本工高)を指名、'08年は大田泰示(内野手・東海大相模高)を1位入札で指名しているように、野手の上位指名に熱心だった。

 '03~'08年の6年間、リーグ優勝こそ2回しているが日本一には届かず、さらにセ・リーグの立場から見れば'05年からスタートしたセ・パ交流戦をすべてパ・リーグに負け越し。日本シリーズでは'07年の中日以外はすべてパの覇者の軍門に下っている。強い巨人、強いセ・リーグになるためには投手偏重ではなく野手も同じくらい熱心に上位指名しなくては強くならない――。そんな意気込みがドラフトの指名に現れていた。

走攻守で活躍した長野の即戦力ぶり。

 長野は即戦力候補の前評判通り、1年目に128試合に出場し、打率.288(安打124)、本塁打19、打点52、盗塁12を挙げ、新人王に選出されている。守備面では2年目の'11年から3年連続してゴールデン・グラブ賞を受賞。走攻守3部門で貢献しているのがわかる。

'11年には打率.316で首位打者を獲得し、日本一となった翌'12年は173安打を放ち、最多安打にも輝いている。'13年には第3回WBC日本代表に選出された。

【次ページ】 目立ったキャッチャーの獲得。

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