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羽生結弦、演技点8点台のカラクリ。
4回転アクセル成功に向けた兆しも。

posted2019/09/19 20:00

 
羽生結弦、演技点8点台のカラクリ。4回転アクセル成功に向けた兆しも。<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

4回転アクセルについては「試合と両立してトレーニングしていかないといけない」と話す羽生。

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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Yohei Osada/AFLO SPORT

 羽生結弦は2019-'20シーズン初戦となるオータムクラシックで、ショート98.38点、フリー180.67点、合計279.05点での優勝となった。ショートとフリーで計6本もの4回転に挑みながらも、あまり得点は伸びず、フリーのキス&クライでは羽生自身も渋い表情で得点を見つめた。

 今回の得点を見ていくと、実は今季の採点規則変更に絡んだ減点が多い。そこで今季のルールを解説しながら、改めて羽生選手の得点を解説していきたい。

重大なエラーが2つあると……。

 まず今季の運用規則変更の1つとして、「重大なエラーがあった場合の演技構成点の上限」が決められた。昨季のルール改正でも上限が決められたが、しっかりと運用されなかったため、さらに厳しい減点になったのだ。

 重大なエラーとは「プログラムが中断され、構成や音楽との関係、連続性、流れるような美しさに影響を与えるもの」を指す。転倒は確実に含まれ、ステップアウトは演技の動きを途切れさせるようなものであれば、重大なエラーになる。

 またトップスケーターからは大幅に得点が引きにくいというジャッジ心理も踏まえて、こう注意書きが加わった。

「稚拙なスケーターから卓越したスケーターまで、あらゆるスケーターに適用」

 つまりどんなに実力のある選手でも、ミスがあると演技構成点が抑えられてしまうことになったのだ。

 そして今回、羽生選手はフリーの冒頭で、2つのステップアウトがあった。それぞれステップアウトで流れが途切れた。すぐに曲に追い付こうとして、いつもと違うステップが入り、わずかに音楽とのズレも生じた。

 そのため多くのジャッジが「2つの重大なエラーの場合」を適用。この場合は、「『スケート技術』『つなぎ』『構成』は9.25点まで。『演技力』『音楽解釈』は8.75点まで」となる。

【次ページ】 「形としては整っていたと思います」

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