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森保監督、五輪世代から絶大な信頼。
“横さん”こと横内コーチの仕事術。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byRyohei Hayashi
posted2019/09/16 11:40
森保一監督がフル代表兼任のため、代行監督を務める機会が多かった横内昭展コーチ(左端)。東京五輪世代の活動に欠かせない人物だ。
率直に選手に思いを伝える。
ピッチ内とピッチ外で、横内コーチの表情は大きく違う。ピッチ内ではチームの雰囲気を良くしようと声を出すときもあるが、基本的には真剣な表情で選手たちを眺め、時に緩さが見えれば選手たちへの檄が飛ぶ。
9月2日から行われていた北中米遠征においても、初日の練習後に選手たちを集めて切り替えの遅さを指摘した。
「そういう切り替えの早さは日本の良さでもあるし、頭さえしっかり動かしていれば、すぐにでも実行できるところ。そこは今日だけではなく、この年代のチームが活動している時は常に言っている。そういう意味でもあまり僕の期待ほどではなかった」
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気づいたことがあれば、率直に選手たちに思いを伝えている。
広島弁の“横さん”らしい距離感。
一方、ピッチを出れば会話中に広島弁がこぼれるなど謙虚で気さくな素顔が現れる。記者陣ともたわいもない話で盛り上がれば、嫌な質問にも素直な言葉で返答。多くの人が“横さん”と愛称で呼び、ユーモアあふれる人間性に惹かれる人は多い。
だからこそ選手たちからの信頼が厚いのも頷ける。
本人は「そんな風には見えないですけどね(笑)。たぶんリップサービスだと思いますよ」と謙遜するが、ユース時代から指導を受け、現在もU-22日本代表に名を連ねる長沼洋一は横内コーチの印象をこう語る。
「ユースの時から知っていますけど、やっぱり選手との距離が近い人ですね。それは広島の時からもそうだし、代表でもそう。個人、個人で話すことが多いと思うけど、横さんは本当に多くの人と話している。フランクというか、すごく話しやすいというのはあります」
オンとオフを切り替えて選手と接する姿は、まさにコーチそのものと言っていいだろう。
ただ、横内コーチが担う監督代行の仕事はそう簡単なものではない。指揮官不在の中でチームを構築していく必要があり、大会に臨んだとすれば結果も求められる。
もちろん選手たちの機微を見逃すことなく、厳しく言う時は言わなければならない。普段は監督と選手の間に立つ役目を担うコーチでありながら、監督としてチームを指揮しなければいけない難しさは想像に難しくないだろう。