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ダルビッシュならどう見る?
履正社に敗れた津田学園の投手采配。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byKYODO NEWS

posted2019/08/13 16:30

ダルビッシュならどう見る?履正社に敗れた津田学園の投手采配。<Number Web> photograph by KYODO NEWS

今大会を代表する強打の履正社の前に、敗れたとはいえ控え投手だった降井隼斗は素晴らしく、津田学園が良いチームだったことは間違いない。

ダルビッシュ「輝ける選手を増やしたい」

「自分は常に輝ける選手を増やしたいと言い続けています。球数、イニング制限は控え選手の出場機会も増えます」

 そう語ったのは、シカゴ・カブスのダルビッシュ有だ。

 本日8月13日未明、自身のSNSにおいて、球数制限に関する賛成意見として、ツイートをしていた。

 昨今、話題にされることが多い球数制限の議論では、「悔いなく最後までエースに投げさせるべき」と言う意見も見られるが、この視点とはまったく異なる、「控え投手の出場機会をもっと創出すべき」というところまで言及する人は少ない。ダルビッシュは、ルールづくりのその先に見える、新しい野球の可能性にまで言及しているのである。

 球数制限をすれば、多くの投手に出場機会を創出できるわけで、その機会があることでエース以外の投手が活躍する場所が創られる。だが、現行の高校野球の指導者の見識と高校野球のルールのままだと、そこまで発想が至らないという現実があるのだ。

 この日好投を見せた降井のような優れた控え投手が、県大会でたった7イニングしか登板がないのは、まさにこの問題を象徴しているように思う。奇しくも、ダルビッシュが言ったように、輝けるはずだった控え投手の登板機会を奪ってきたからこそ、1人の投手が1試合で160球も投げなければいけない……という異常な状況が生まれてしまうのだ。

2人で戦っていれば勝利の可能性も!?

 降井は甲子園での初登板をこう振り返っている。

「今年のセンバツの時に、(前)佑囲斗が1人で投げていたのに代わってあげる事が出来なかった。力不足で悔しかった。今までやってきたことを少しでも出し切ろうと思い、悔いが残らないように全力で投げた。とにかく甲子園のマウンドは楽しかった」

 ここで散ってしまうにはもったいない2人だった、と思う。

 履正社打線が驚異的な強さだったことは間違いないが、この2人が共に力を合わせていれば、1回戦の静岡に2人でしっかり競り勝って、履正社打線もなんとか封じることができたのではないか……と想像してしまうのだ。

 それだけに、最後に前が登板したことを美談にしてはいけないと思った。この試合、まさに、ダルビッシュの言う通りだったのだから。

<夏の奇跡の物語>甲子園旋風録。
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