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アンチェロッティの下で戦力充実。
ナポリがユーベの9連覇を止める!?
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/01 11:30
CL、セリエA、プレミアリーグなどで優勝経験豊富なアンチェロッティが続投した。
スタメンが固定されていたサッリとは違う。
近年ユベントスを追うチームのなかで、肉薄しているのはナポリだ。特に2017-18シーズンは、マウリツィオ・サッリ監督に率いられ、激しいハイプレスとリズミカルなショートパスを組み合わせたサッカーでユーベを追い詰めた。
だが、サッリはアウレリオ・デラウレンティス会長と折り合いが悪く、シーズン後に袂を分かつ。後釜として呼んできたのが、説明不要の大物監督である。
連係を重視するあまりスタメンが固定されていたサッリとは違い、アンチェロッティは選手起用もフレキシブルだ。
「カルロがきてすべてが変わった。サッリの頃に機能的な連係ができていたのはピッチの一部分だけだった。しかし今は違う。経験あるアンチェロッティは、すべての選手たちに各々が重要であることを理解させたのだ」とべた褒めする選手もいた。
スタジアムに批判のメッセージが。
しかし、結果はまたも2位。順位を上げることができなかったばかりか、ユベントスに引き離されて早々と優勝を決められた。スタジアムには監督と会長に対する批判のメッセージが掲げられた。「アンチェロッティは優勝に向けて補強を求めたが、デラウレンティスにその意思が感じられないと疑念を持った。そして両者は、手を出さん勢いで喧嘩をした。目撃者もいる」などという情報まで出回ったのである。
それでも、アンチェロッティは続投した。また、ナポリはプレシーズンで、さらなる強化を目指して動いている。レアル・マドリー所属のコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスのような大物の獲得にすら挑んだ。それ自体は立ち消えになったとも、「ハメスはあくまでアンチェロッティ監督のもとでプレーをしたがっている」とも情報は錯綜中だが、交渉を図っていることはデラウレンティスの口から公言されている。