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アンチェロッティの下で戦力充実。
ナポリがユーベの9連覇を止める!?
posted2019/08/01 11:30
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph by
Uniphoto Press
0-3。7月28日、エジンバラで行なわれたプレシーズンマッチ、リバプールvs.ナポリの結果だ。勝者はナポリ。昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグのグループCで苦汁を飲まされ、その後、王者の座にまで駆け上がった相手に完勝した。
キャプテンマークを巻く地元出身のファンタジスタ、ロレンツォ・インシーニェが躍動して全得点に絡んだ。17分に左サイドからドリブルでカットインすると、ゴール右下隅に正確なミドルシュートを突き刺した。28分には左サイドを突破してグラウンダーのクロスを送り、ポーランド代表FWアルカディウシュ・ミリクの追加点を演出した。さらに52分、またもや左サイドからドリブルで仕掛け、トレント・アレクサンダー・アーノルドを置き去りにしてシュート。右足インフロントで回転の掛けられたシュートはGKに弾かれたが、前方に転がったボールをアミン・ユーネスが押し込んだ。
DFは空中戦によく耐え、終盤の猛攻には成長が期待される若手GKアレックス・メレトが好セーブを見せた。3点をもぎ取り、無失点に抑えての完勝である。
昨年の同時期には5失点で大敗。
むろん、プレシーズンマッチの結果に公式戦ほどの重みはない。第一リバプールには、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、さらにはアリソンという、アフリカ・ネーションズカップもしくはコパ・アメリカに出ていた主力が欠けていた。
しかし昨年の同時期にも同じカードがあり、その時はナポリが5失点で大敗している。そして、1年後の快勝である。そこには進歩を感じざるを得ないし、実際に試合内容にも成長が表われていた。チーム全体で美しいサッカーを見せ、インシーニェはリバプールのサポーターからも拍手を受けていた。
「こういう勝利を収めると、勇気と自信と活気が養われるし、自分たちの取り組んでいることに確信も増す。とにかく試合に勝つということは(公式戦で)勝つことの助けにもなる。とりわけCL優勝チームに良い試合ができたということは、満足をもたらしてくれる」
『コリエレ・デッロ・スポルト』紙のインタビューに応えたカルロ・アンチェロッティ監督は、チームの出来に目を細めた。